BtoBマーケティングは新型コロナでどう変わったか?今日から企業が取り組むべき“4つ”のこと

BtoBマーケティングは新型コロナでどう変わったか?今日から企業が取り組むべき“4つ”のこと

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(以下略、新型コロナ)の影響により、BtoBマーケティングは今大きな変化を迫られています。

なかには展示会への出展やセミナーの開催といった従来の手法が困難になり、リード獲得に難しさを感じている担当者の方も多いでしょう。ニューノーマルの時代、マーケティング担当者はいかにして変化と向き合い、成果を実現すべきなのでしょうか。

本稿では、新型コロナによる「顧客の購買プロセスの変化」を紐解いた 上で、企業がBtoBマーケティングにおいて今日から取り組むべき“4つ”の施策について提言します。

BtoBマーケティングの全体像を詳しく知りたい方は『【吉岡諒氏監修】BtoBマーケティングのプロセスを完全マニュアル化!戦略づくりの手法を紹介』も併せてご覧ください。

新型コロナで顧客の購買プロセスはどう変化したか

新型コロナによって、顧客の購買プロセスはどのように変化したのでしょうか。
ここでは、顧客側における3つの大きな変化について詳しく解説します。

(1)「オンライン」での情報収集が増加

新型コロナの影響で対面による商談が減ったことで、顧客側は自身で商品に関する情報収集をせざるを得なくなりました。ただ、近年はマーケティングのデジタル化により、Web上に数多くのチャネルが存在します。例えば、各社の企業Webサイトや商品比較サイト、SNS、ウェビナー、オンライン展示会など種類も多様です。豊富な情報を手軽に得られる環境が整いつつある今、顧客側のオンラインでの情報収集が加速しています。

(2)購買プロセスの大半は、営業に会う「前」に済んでいる

従来なら顧客側は、展示会の担当者や営業担当から初めて商品の情報を得ることもありました。しかし、オンラインのチャネルが充実している今、購買プロセスの大半はオンラインで完結できます。例えば、リスティング広告で「商品を認知」し、ウェビナーやパンフレットで「情報収集」し、比較サイトで「比較・検討」できます。つまり、営業から商談を受ける前に、顧客側の商品理解・ニーズの明確化はかなり進んでいるとも言えるのです。

(3)購買プロセスの長期化が顕著に

もともとBtoBでは商品の使用者と決裁者が別ということもあり、購買プロセスに時間がかかるという特徴がありました。しかも、現場社員は商品の「使いやすさ」が気になり、経営層は「コスト」が気になり、法務は「安全性」が気になるというように、関係者全員の合意を得るには情報収集にも時間が必要です。特に近年はリモートワークの浸透で顧客側の社内コミュニケーションが鈍化し、購買プロセスの長期化が一層顕著になっています。

顧客側の変化に伴う、マーケティング上の課題とは

顧客側の購買プロセスが変化したことで、BtoBマーケティングにも多くの課題が生じているのが実態です。
本章では、新型コロナに伴って生まれたBtoBマーケティングの課題について解説します。

(1)従来のコミュニケーションチャネルが十分機能していない

新型コロナによって対面での活動に制限がかかり、オフライン展示会への出展や訪問営業が難しくなっています。顧客のもとに足しげく通って関係構築を行っていた企業にとっては、大きな痛手です。従来のコミュニケーションチャネルが十分機能しなくなったことで、リード獲得やクロージングに難航している企業も少なくありません。

(2)オンラインの施策が不足している

顧客側がオンラインでの情報収集を活発化させている今、オンラインのチャネルが不足している企業は顧客との接点もうまく持てなくなります。ただ、自社Webサイトの充実や各種Web広告の活用などには、デジタルマーケティング領域のノウハウが必要です。そのため、なかなかオンライン施策に着手できない企業も目立ちます。

(3)情報発信が「売り手」目線になっている

「オンラインのチャネルを充実させたものの、各コンテンツで何を発信すればいいか分からない」と悩む企業も珍しくありません。その結果、売り手目線で「商品の機能や特性」ばかり訴求してしまう場合もあります。しかし、顧客の欲しい情報が載っていないコンテンツでは興味を持ってもらえず、リード獲得が難しいのも実情です。

(4)顧客情報の管理が一元化されていない

顧客目線でコンテンツを作るには、顧客情報を常に把握しておくことが必要です。ただ、顧客情報をExcelや紙の名刺で管理しており、社内で情報が統合されていない企業も多くあります。「リードが購買プロセスのどのフェーズにいるのか」「決裁権はあるのか」などを必要なときに可視化できないと、情報発信も最適化できません。

(5)マーケティングと営業が連携できていない

オンラインの施策が増えたことで、マーケティングと営業の境目があいまいになりつつあります。特にテレワークが浸透し、ただでさえお互いに連携しにくい状況です。しかし、「マーケティングはどの施策を担当するか」「どの段階でリードを営業にパスするのか」などを事前に決めておかないと、スムーズな商談化も難しいでしょう。

BtoBマーケティングで成果を出すために不可欠なキーワード

BtoBマーケティングにおける課題を克服し、成果を出すためにはどのような視点が必要なのでしょうか。
ここでは、ニューノーマルの時代においてBtoBマーケティングに求められる3つの考え方を紹介します。

(1)デジタルシフト

今後さらに顧客側の情報収集がオンライン化することを考えると、マーケティング領域のデジタルシフトが欠かせません。デジタルシフトとは、文字どおり業務のプロセスをデジタルに移行する取り組みのことです。特にマーケティングでは、顧客との接点を非対面でも持てるようにする「チャネル(タッチポイント)のデジタル化」と、社内に点在している顧客情報の管理を一元化する「情報管理のデジタル化」という2つの変化が求められます。

デジタルマーケティングの概要は『正しく理解できていますか?今さら聞けないデジタルマーケティングの基礎知識』で詳しく解説しています。

(2)オムニチャネル

デジタル化する上で重要なのが、「オムニチャネル」という概念です。オムニチャネルとは、Webサイトに限らず、顧客と複数の接点を持つことを言います。例えば、商品の認知は「ディスプレイ広告」、情報収集は「オンライン展示会」、比較・検討は「メルマガでの事例紹介」のように、購買プロセスの動線に合わせて幅広いチャネルを設けるのです。その結果、スムーズに顧客の購買行動を促進し、商談・受注につなげやすくなります。

オンライン展示会について詳しく知りたい方は『オンライン展示会とは?メリットやブースの出展方法を分かりやすく解説!』をご一読ください。

(3)バイヤーイネーブルメント

バイヤーイネーブルメントとは、買い手の購買行動を支援する取り組みのことを言います。端的に言えば、企業から発信する情報を“顧客目線”でとらえ直し、コンテンツをブラッシュアップすることです。例えば、今までニーズの低いリードに対して、「商品紹介」が大半のウェビナーを実施していたとしましょう。しかし、買い手目線で内容を見直せば、商品紹介よりも「業務に役立つノウハウ」の方がより興味を持てたかもしれません。

また、BtoBでは情報収集するのが現場の担当者だけとは限りません。決裁者である管理職をはじめ、法務担当、情報セキュリティ担当、購買担当など、さまざまなステークホルダーが商品選択に関わります。そして、コストや安全面、機能の豊富さなど、求めている情報の内容も関係者によってさまざまです。こうした関係者一人ひとりの求める情報を想定し、個々のチャネルでの発信内容を最適化することで、顧客の購買行動をあと押しできます。

今日から企業が取り組むべき“4つ”のこと

BtoBマーケティングで成果を出すためには、具体的にどのような施策が必要なのでしょうか。
ここでは、ニューノーマルの時代に企業が取り組むべき4つのことについて解説します。

(1)バイヤージャーニーマップを作成する

まずは「顧客側がどのような購買プロセスを経ているか」を、細かく把握しておく必要があります。その際、役に立つのがバイヤージャーニーマップ(カスタマージャーニーマップ)です。バイヤージャーニーマップとは、顧客の購買プロセスごとに「企業との接点」や「そのときの心理・行動」などをまとめた表のことを言います。

このマップを作成することで、ニューノーマル時代に顧客がどこで情報収集し、どのチャネルで商品へのニーズを高めているかが一目瞭然になります。その結果、「機能していないチャネルがある」「購買プロセスの動線がうまくつながっていない」といった現状の問題点が見えてきて、改善策のアイデアも生まれやすくなるでしょう。

バイヤージャーニーマップ(カスタマージャーニーマップ)について詳しく知りたい方は、『カスタマージャーニーとは?作成の目的や作り方を分かりやすく解説!』の記事も合わせてお読みください。

(2)マーケティング戦略を再設計する

新たなバイヤージャーニーマップに沿って、企業全体のマーケティング戦略を見直す取り組みも欠かせません。「自社が狙うべきターゲット」や「リード獲得のために必要な施策」、「購買プロセスごとに発信すべき情報の内容」などをあらためてマーケティング担当者と営業担当者で話し合い、共通認識を形成しておくことが大切です。

その際に重要なのが、マーケティング部と営業部間で、両組織の役割について明確に定義しておくことです。「どの程度ニーズが高まれば営業へ受け渡すのか」「マーケティングの段階でどの程度まで顧客に商品理解を深めさせればいいのか」などが明らかになっていれば、よりスムーズに顧客の購買プロセスを進行させられるでしょう。

マーケティング戦略については『マーケティング戦略立案に欠かせないマーケティングファネルとは?初心者向けに基礎を解説』で詳しく解説しています。

(3)オンラインのチャネルを充実させる

インターネット上での情報収集が盛んになっている今、オンラインのチャネルを充実させることはもはや必須施策です。具体的には、自社Webサイト、各種Web広告、オンライン展示会、ウェビナー、ホワイトペーパー、コンテンツマーケティング、メルマガなどさまざまな手法があります。顧客の購買プロセスに沿って、それぞれのチャネルを有効に配置しましょう。足りないノウハウがある場合は、外部の専門企業を頼ることも大切です。

ホワイトペーパーについて詳しく知りたい方は、『良質なリード獲得に欠かせないホワイトペーパーその役割と制作・活用方法』もご一読ください。

(4)顧客データの管理方法を検討する

社内に顧客情報が点在していては、マーケティング・営業間での意思疎通が難しくなります。そのため、CRMやMA、SFAなどのデジタルツールを活用し、顧客データを一元管理することも検討しましょう。データを共有すれば、全員が各顧客のニーズの強さや役職の有無、サイト訪問の頻度、過去の商談結果などをタイムリーに把握できるようになります。その結果、各チャネルでのアプローチを最適化でき、購買促進も図りやすいでしょう。

MA(マーケティングオートメーション)について詳しく知りたい方は、『マーケティングオートメーションで何ができる?効率的な営業を実現するために知っておきたいこと』もご一読ください。

ニューノーマル時代のリード獲得は、オンライン施策の充実化がカギ

ニューノーマル時代においては、対面営業やオフライン展示会などに制限がかかるため、デジタルマーケティングの施策を充実させることが成功のカギとなります。特にオフライン展示会で確保するはずだったリードに関しては、インターネット上で開催する「オンライン展示会」の活用を通じて、獲得につなげられるでしょう。

DMMオンライン展示会」は、DMM主催のオンライン展示会に低コストで出展できるサービスです。オフライン展示会と比べて出展コストを抑え、リード獲得の費用対効果を高めることもでき、最短1時間程度でブースの登録が可能なため、初めての方でも安心して出展できるのが特徴です。さらに、出展総数15,000社超を誇るDMMの展示会だからこそ、高い集客力も見込めます。

オンライン展示会への出展をご検討の際には、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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