オンライン展示会の成功は「会期中」と「会期後」の対応がカギ!とるべき必須アクションとは?
目次
「オフライン展示会の中止を受け、成果を埋め合わせできる代替手段を探したい」
「マーケティングのオンライン化を推進し、効率的に良質なリードを獲得したい」
――さまざまな思いから、オンライン展示会の活用を検討している方やオンライン展示会への出展を決め、出展準備の真っ最中という方もいると思います。ただ、オンライン展示会は会期前の準備が十分に整っていても、十分な成果につながるとは限りません。会期中の対応や会期後のフォローにも注力して初めて、期待以上の結果につながるのです。
同じ出展先なのに、成果に大きな差…なぜ?
オンライン展示会は、地理的な制限に縛られず幅広い地域からリード獲得を狙える施策として、活用する企業も増えています。実際、オフライン展示会と比べてよりリッチなリード情報をリアルタイムに取得できるのが強みです。自社に適した出展先を選ぶことで、今まで接点を持てなかった顧客層との商談創出も期待できるでしょう。
しかし、たとえ「事前集客も万全」「出展先も最適」という状態であっても、結果的に期待したような商談獲得件数につながらないケースがあります。成果が出る企業と出ない企業の差は、どこに潜んでいるのでしょうか。
オンライン展示会で成果を逃す“2つ”の原因
実はオンライン展示会で成果を逃す企業には、「会期中」「会期後」の対応に問題があることが多いのです。
本章では、オンライン展示会で成果を逃す2つの原因について解説します。
(1)「会期中」に商機を見逃してしまっている
オンライン展示会でありがちな失敗は、ブースに訪問した来場者の動向をタイムリーに把握しないことです。オンライン展示会では、来場者の役職や来場目的、ブースの訪問回数などの情報をリアルタイムに取得できます。仮に何度も自社ブースを訪問しているリードがいた場合、商品へのニーズが強い証でもあるのです。オンラインの特性上、こうした来場者は必ずしも自分から声をかけて商談を申し込んでくるとは限りません。だからこそ、確度の高いリードに対し、機を逸せず能動的にアプローチしなければ、せっかくの商談機会も逃してしまいます。
(2)「会期後」のフォローを十分にできていない
オンライン展示会は、リードを獲得するのが目的ではなく、商談や受注につなげることがゴールです。そのため、会期後のフォロー体制・ナーチャリング施策が十分整っていないと、なかなか商談にはつながりません。例えば、獲得したリード情報をそのまま営業に受け渡したとします。すると、「商品へのニーズが薄いリードに対し、いきなり営業から商品の売り込みをしてしまう」というミスマッチな事態も起こり得るでしょう。つまり、商談創出につなげるには、リード属性を細かく分析した上で、個別にフォロー施策を最適化することが必要なのです。
オンライン展示会の「会期中」にとるべき対応
オンライン展示会から商談獲得につなげるためには、「会期中」をどのように過ごせばよいのでしょうか。
ここでは、オンライン展示会の会期中にとるべき4つの対応策について解説します。
※下記の内容は、「DMMオンライン展示会」に出展した場合を想定しています。
(1)来場者の情報をタイムリーに確認する
オンライン展示会では、ブースへ訪問した来場者の情報が出展社の管理ページにリアルタイムに表示されます。具体的には、企業名や部署名、職種、役職、氏名、メールアドレス、来場目的、資料ダウンロードの有無などの情報です。まずはこうしたリード情報をタイムリーに確認し、自社ブースの顧客層やニーズの内容を把握します。
(2)実際に企業名を検索してみる
続いては、来場者の「所属企業」欄を参照して、実際に企業名をインターネット上で検索してみます。すると、各社のホームページに事業内容や企業規模が掲載されているはずです。こうした企業情報を見ながら、「自社の狙っているターゲット層に近いか」「顧客の事業展開に対して、自社商品が役に立てそうか」などを確認します。
(3)来場者の属性・ニーズの強さを分類する
次は「来場者データ」と「検索した企業情報」を照合し、自社商品のコアなターゲットとなりそうな来場者を見極めます。その際、何度もブースに訪問していたり、資料をダウンロードしていたりする来場者は商品への関心が高いと言えるでしょう。また、ニーズの強さだけでなく、来場者の役職情報から「決裁権の有無」も確認することが重要です。自社商品との関連性が高く、決裁権を持つ来場者は、商談につながる可能性も高くなります。
(4)確度の高そうな来場者へ商談をオファーする
確度の高そうな来場者へは、出展社側から商談の申し込みをすることが大切です。出展先によって機能の有無は異なりますが、DMMオンライン展示会には「商談オファー」という機能があります。こうした商談オファーをリアルタイムに送付することで、会期中にもホットリードを商談につなげることができます。商談を申し込む際には、来場者ごとに文面を最適化することで、より返信や商談につながる確率も高まるでしょう。
ちなみに数日間の会期があるオンライン展示会の場合は、1日目は来場者のデータ分析・企業調査をメインに行うのも1つの戦略です。分析結果をもとに2日目以降で商談を申し込むと、より成功確率も高めやすくなります。
オンライン展示会の「会期後」にとるべき対応
オンライン展示会は、会期を終え、フォロー施策を実施するところからが本番です。
本章では、オンライン展示会の「会期後」にとるべき対応について4つのステップで解説します。
(1)リード情報を分類する
オンライン展示会後のフォローでは、リードのニーズに応じて最適なアプローチをすることが大切です。そのため、まずは獲得したリード情報を「ブースの訪問回数」や「資料ダウンロードの有無」などでスコアリングし、分類していきましょう。具体的には、「商品へのニーズが顕在化している(顕在層)」、「商品へのニーズはまだ薄いが、興味・関心はありそう(潜在層)」、「すぐにはニーズにつながらなさそう(その他)」などに分類します。
(2)インサイドセールス・フィールドセールスとの連携体制を築く
続いて、分類したリードの属性ごとにフォロー担当を割り振りましょう。例えば、すぐ商談につながりそうな顕在層は、フィールドセールスに受け継いで電話やメールでアポイントにつなげてもらいます。育成の必要な潜在層については、インサイドセールスにバトンタッチしてナーチャリングしてもらうことが必要です。「どの層のリードをどの部署がフォローするか」は、会期前にマーケティングと営業の組織間で話し合い、決めておくようにしましょう。
インサイドセールスの概要は『これまでの営業手法とは何が違う?インサイドセールスの役割とメリット』で解説しています。
(3)リードナーチャリングの施策を実施する
ニーズの顕在化していないリードに関しては、さまざまな施策でナーチャリングを実施します。例えば、メール・電話でセミナーへの参加を促したり、メルマガでホワイトペーパーや導入事例を送付したりというのが主な施策です。接点を持ち続けることで、ニーズが顕在化するリードもいます。「今リードが購買フェーズのどこにいるのか」「リードの知りたい情報は何か」を入念に検討した上で、最適なコンテンツを届けることが大切です。
リードナーチャリングの手法について詳しく知りたい方は、『顧客の「購買意欲」を育てるには?成約率をアップするナーチャリングのポイント』も合わせてお読みください。
(4)一定期間で成果を振り返る
リードによっては、商談化するまでに数か月や1年などの時間がかかるケースもあるかもしれません。ただ、フォロー施策は「半年」や「1年」など一定期間で区切り、成果を振り返ることも大切です。「どのくらいリードを獲得でき、何件が商談化したか」を記録しておくことで、施策の改善や次回の出展先選びにも生かせるでしょう。
リードの属性別に会期後のフォロー方法を解説!
オンライン展示会では、リードの属性によってフォローの施策を柔軟に変えることが大切です。
本章では、リードの属性別に会期後のフォロー方法を紹介します。
(1)【顕在層】メールや電話で商談につなげる
商品への関心度が高い顕在層のリードについては、ニーズの強いうちにフィールドセールスから接触することが大切です。顕在層は、オンライン展示会で競合他社のブースにも訪問している可能性があります。そのため、自社の印象が薄まらないよう、翌日または翌々日までにはお礼メールを送ってフォローを始めましょう。具体的には、メールや電話で商談のアポイントをとったり、商品に関する悩みや不安を深掘りしたりします。こうしたホットリードを確実に商談化・受注につなげられるかが、オンライン展示会の成否を決めるといっても過言ではありません。
(2)【潜在層】インサイドセールスによる関係構築へ
いずれニーズの顕在化しそうな潜在層については、インサイドセールスから中長期的にフォローします。自社ブースの印象が残っているであろう1週間以内にはお礼メールを送り、ナーチャリングを開始しましょう。具体的には、お礼メールの段階でリードに「知りたい情報は何か」を聞いたり、メルマガでコラム記事へのリンクやお役立ち資料を送ったりという方法があります。リードが「サイトを訪問する」「商品資料をダウンロードする」といったアクションを見せたときは、ニーズが顕在化した可能性があるので、タイムリーに商談化を図りましょう。
(3)【その他】期間を設けつつナーチャリングを
オンライン展示会では、顕在層・潜在層へのアプローチを最優先で実施することが大切です。ただ、まだニーズの見込めない「その他層」も、いずれ商品への関心が高まる可能性があります。そのため、1週間以内にお礼メールを送ったあと、主にメルマガでのナーチャリングを実施しましょう。ほかの最重要リードにリソースを割けるよう、半年や1年などの時限を設けて反響を振り返り、ナーチャリングの継続可否を判断することも大切です。
「会期前」「会期中」「会期後」の3本柱で入念な対策を
オンライン展示会は、会期前の入念な準備、会期中のタイムリーな対応、会期後の手厚いフォローが整ってはじめて成果を創出できます。だからこそ、オンライン展示会に出展する際には、インサイドセールスやフィールドセールスとも事前に話し合い、「会期前」「会期中」「会期後」の対応を細かく検討しておくようにしましょう。
会期中の効果的な対応策については、下記のインタビュー記事でも紹介しています。
オンライン展示会の成果を一層高めるための、一助となれば幸いです。