【新規開拓とは?】メリット・コツ・具体的な方法まで徹底解説
目次
新規開拓は必要だとわかっているけれど、難しそう…。
新規開拓をして業績を上げたいが、どの企業からアプローチしたら良いのかわからない。
そう悩んでいる営業パーソンは多いかもしれません。
しかし、新規開拓がもたらすメリットを知ると、実行すべきだと感じるでしょう。また、新規開拓にはコツがあります。効果的な営業をするために、有効な手段やポイントをお伝えします。
1、新規開拓とは?
営業活動における「新規開拓」とは、リレーションシップを築けていないターゲットにアプローチをかけて新しい顧客を獲得し、売り上げや事業を拡大していくことです。まったく取引のない企業や個人に対して、顧客となってもらえるよう、メールや電話、実際に訪問するなどして営業することを指します。
新規開拓と反対にあるのが、既存営業です。既存顧客との関係性を深めて新たなニーズを引き出し、取引を増やしていく営業です。
関係性をイチから築き上げる新規開拓営業は、既につながりのある既存顧客への営業に比べて労力がかかります。
2、新規開拓のメリットとは?既存の顧客だけじゃダメなの?
(1)売上の向上
新規開拓は労力がかかるとはいえ、事業存続や拡大には不可欠です。新規開拓で新たな顧客が増えれば、当然、売上も増加するからです。
既存顧客へ向けてアプローチを続けることで、取引を増やしてもらい、売上を向上させることもできるでしょう。しかし、すべての顧客が取引を増やしてくれるとは限りませんし、限界があります。そこで、新たな顧客を獲得する新規開拓が必要なのです。
(2)リスクの分散
市場の変化によるリスクの対策にも新規開拓は有効です。常に市場は変化しており、市場が縮小することもあり得ます。
また、どんなに魅力的な商材を開発しても、競合の出現により顧客を奪われ、売上が低下してしまうこともあり得ます。売上を安定させるためには、顧客を増やす必要があるのです。
3、新規開拓のコツとは?
(1)目標を設定する
効果的な新規開拓を行うには、目標を設定することです。しかし、単に目標を設定するだけでは、進捗状況が見えず、課題を抱えていても不明瞭です。
そこで、「KPI(重要業績評価指標)」を設定するのがおすすめです。KPIを設定すると、目標の達成度合いを具体的な数値で測定でき、目標に対する進捗が明確になります。
新規開拓で代表的なKPIは以下の3つです。
- 「リード創出率」・・・アプローチをかけたターゲットが見込み客になる割合を示した指標
- 「商談創出率」・・・アプローチをしたターゲットに対して商談のアポイントメントを得た割合
- 「コンバージョン率(受注率)」・・・商談成立した割合を示す指標
KPIの設定について知りたい方は『目的達成のためのKPI設定方法を完全伝授!KGIとの違いも解説』も併せてご覧ください。
(2)既存顧客を把握しターゲットを明確化する
ターゲット像を明確にすると、効率よく新規の顧客を獲得しやすくなります。
自社の商品やサービスがどんなに優れていても、アプローチした相手がそれを必要としていなかったり、魅力を感じてもらえなければ、顧客になってもらえる確率は低いでしょう。そこで、どのような相手にアプローチをすれば良いのかを明確にします。
既存顧客のニーズや情報を把握し、それらの情報からターゲット像を明確にしましょう。ターゲット像を明確にすることで、どのようなアプローチ方法が刺さるのか、戦略も立てやすくなります。また、ターゲットのニーズに合うように、商材を改良・改善することもできます。
(3)断られることを恐れず行動する
新規開拓では、信頼関係が構築できていないため、商談を断られてしまうケースは多々あります。優秀な営業パーソンであっても、初対面の相手に対して100パーセント効果的な営業ができるとは限りません。100社にアプローチしたのに、たった2、3社としか商談のアポイントメントを取り付けられなかったというのはよくあるケースです。
しかし、お断りされてしまったからといって営業に対して苦手意識を持つのではなく、行動し続けることが大切です。自社の商品やサービスでターゲットのニーズを満たす方法を提案するなど、ターゲットに寄り添ったアプローチをし続けることで、おのずと結果が出るでしょう。
行動量に比例して、営業成果が出ると言えます。相手の反応が良くなかったとしても、気に病むことなく行動することが大切です。
4、実際どうすればいいの?新規開拓の具体的な営業方法とは?
新規開拓の営業は、アウトバウンド営業とインバウンド営業の2つに分けられます。ここでは、それぞれに効果的な営業手法を見ていきましょう。
(1)アウトバウンド営業手法5選
企業からターゲットに対してアプローチするのが「アウトバウンド営業」です。企業側が、アプローチする相手を選べるというメリットがあります。
①テレアポ
ターゲットをリスト化し、それをもとに電話をかけてアプローチする方法です。主に、電話口で商品やサービスの案内をしたり、商談の約束を取り付けたりします。多くの商品やサービスに有効です。
相手を訪問することなく、短時間で多くの相手にアプローチができるのがメリットです。その一方で、担当者が不在だったり多忙だったりするなどして、なかなか取り次いでもらえないケースが多々あります。
②メルアポ
テレアポ同様にターゲットとなる顧客のリストに基づいて、メールで営業をします。
メールのひな型さえできていれば、コピペするなどして使いまわせるため、テレアポよりも短時間で多くの相手にアプローチができます。また、有効な手法として、メールで商品の案内を送り、興味を持ってもらった上で営業電話をかけるやり方もあります。
気軽にメールを送れるものの、メールを開かれずに削除されてしまったり、迷惑メールフォルダに振り分けられてしまったりするケースが多く、なかなか読んでもらえないというデメリットもあります。
③飛び込み営業
アポイントメントを取らずに企業に直接訪問をしてアプローチする手法です。多くの企業を訪問できますが、中にはターゲットとなり得ない企業に当たってしまうことも。複合機や通信ネットワーク、toB向け商品の営業に向いています。
成果を出さなければ、コストがかかるだけで売上は伸びないため、効率はよくありません。しかし、テレアポなどの非対面の手段と比べると、話を聞いてもらえる可能性は格段に高くなります。
④HPからお問い合わせをする
企業のHPにある「お問い合わせフォーム」に自社商品の宣伝文を書くなどして、興味を持ってもらえるよう、アプローチをするという方法もあります。
メルアポ同様に、営業用のテンプレートを作成しておけば、コピペして送れるため短時間で多くの企業にアプローチできますが、反応してもらえる確率は高いと言えません。
⑤人づてに紹介してもらう
取引先や知人などから新たな顧客を紹介してもらう方法は、最も信頼性が高く、商談成立に持ち込みやすい手法です。信頼している人物からの紹介であれば、話を聞こうという心理が働くためです。
しかし、相手の気分を損ねることがあると、紹介者にも迷惑がかかってしまいます。最悪の場合は信頼を失うことにもなりかねませんので、慎重な対応を心がけてください。
(2)インバウンド営業5選
「インバウンド営業」とは、企業がイベントの実施やSNSなどの発信をすることで、顧客が興味を持ち、資料請求や問い合わせなどの行動を訴求する施策のことです。もともと興味を持ってくれている顧客なので、成功率が高いことが特徴です。
①Webサイト運用
ターゲットに関心を持ってもらえるよう、Webサイトに自社の商品やサービスの情報を掲載し、それに対して問い合わせなどがあった顧客に営業をかけていきます。
自ら商品を検索してWebサイトへ訪問するケースが多いので興味関心が高く、商談の成約率も高い傾向があります。
サイトを見てもらうためには、SEO対策をするなどの工夫が必要です。
SEOについて知りたい方は『SEOとは何か?初心者でも分かる認知拡大の基本と具体的な施策』も併せてご覧ください。
②SNS運用
SNSで商材の情報を発信する方法です。Webサイト運用と手法は似ていますが、SNSは拡散されることで、多くの人の目に留まりやすいという強みがあります。
とはいえ、SNSのタイムラインに表示される企業からの情報は、利用者に「広告」とみなされ、リーチ率は低い傾向にあります。また、SNSの媒体によっては、若年層の利用者が多いため、商材にあわせて媒体を選定することが必要でしょう。
③広告運用
広告には2つの種類があり、1つは屋外広告や紙媒体、テレビなどのマスメディア媒体です。多くの人の目に留まりやすく、幅広くアプローチができる一方で、ターゲットを絞ることは困難です。
もう1つの手法にインターネット広告があります。検索ワードなどを分析して狙いたいターゲットに絞って広告を表示できるため、効率よくアプローチができます。しかし、インターネット広告が増えてきている今、表示される広告の画像や訴求文言によっては目に留まりにくいというウィークポイントがあります。
④オフライン展示会
展示会に出展して、来場者に商品を見てもらったり、名刺交換をしたりするのは、新規開拓に有効です。来場者は、自社の商品や類似したものに興味をもっているため、その場で商談や営業訪問の約束を取り付けられる可能性があります。
効率の良い手法ですが、展示会の出展には比較的高いコストがかかることがネックです。展示会にもよりますが、100万円以上かかるケースもあります。
オフライン展示会について詳しく知りたい方は『展示会とは?出展の目的や手順、オンライン展示会との違いも解説!』も併せてご覧ください。
⑤オンライン展示会
オフライン展示会の出展は、予算や準備が必要なことがネック。しかし、オンライン展示会は、企業ブース設営や印刷物などが必要ないため、10万円〜30万円ほどでオフライン展示会と比較すると低コストで出展ができます。
オンライン上で交流や名刺交換ができるため、オフライン展示会と同じように効率よく新規開拓ができるでしょう。
なおDMMオンライン展示会は、低コストで出展が可能!準備も1日程度で終わる企業様がほとんどです。
オンライン展示会に挑戦したことがない方でも、ITがあまり得意でない方も安心して出展できる仕組みを整えています。
気になる方はぜひこちらからチェックしてみてください!
5、新規開拓がうまくいかない時は?
(1)戦略に問題がないかを確認
新規開拓がうまくいかないケースによくあるのが、KPIが明確でないことです。目標を立てても、そこへ向かう道筋が曖昧だと達成は難しいでしょう。目標を達成するには、単に何をするかだけでなく、「どのような道を進むか」「どのような手段で進むのか」など、細かく設定しなければなりません。
例えば、ゴールの間に大きな川が流れているとします。川を渡るのに、橋が架かっている場所まで移動するのか、または船などを使って川を渡るのか、船は自分で操縦するのか、操縦士を雇うのか…さまざま選択肢が見えてきます。
このように、各場面で手段や方法を明確に設定してみてください。
しかし、戦略やゴールそのものに無理がある場合もあります。戦略などは責任者や経営者が決定する場合が多いため、上司などに相談するのも良いでしょう。
(2)ターゲットの設定に間違いがないかを確認
営業をしていく中で、あまりにも顧客の反応が悪い場合は、そもそも設定したターゲットにニーズがない可能性があります。そこで、既存顧客の声をよく聞いたり、属性だけでなくペルソナを明確にしたりするなど、想定していたターゲットとズレがないか見直してみましょう。
また、ターゲット設定が曖昧になっていると、効率の良い営業活動ができなくなってしまいます。新規開拓がうまくいかない原因を探ってみると、実はターゲット設定が不明瞭ということもあり得ます。
時流やマーケットの変化、事業の成長具合によって、ターゲットを見直すことも大切です。ときにはターゲット設定を変更したり、拡大または縮小したりすることが必要でしょう。
(3)リサーチを十分に行っているか
リサーチ不足では、ターゲットに刺さるアプローチはできません。例えば、対象となる企業を徹底的に調べておけば、自社製品を用いてニーズを満たす提案がしやすくなります。また、ターゲットの現状や課題を引き出せる質問を投げかけることで、相手のニーズを把握できるでしょう。
テンプレート化されたメールや、スクリプトをそのまま読むテレアポで成果がでない場合は、対象企業のことを事前にしっかり調査してからアプローチするようにしましょう。
(4)行動量は足りているか
どんなに優れた戦略や戦術を立てても、行動量が足りなければ新規開拓は成功しません。特に新規開拓は、既存顧客へのアプローチに比べると成約率は下がります。そこで、数多くのターゲットへのアプローチが必要です。
うまくいかない場合は、新規開拓のためにどのくらいの営業活動を行っているか数を確認してみましょう。例えば、「1日で何件のテレアポを行ったか」「1か月の営業訪問数は何件か」など、数字で明確にすると行動量が十分かどうか見えてきます。
しかし、行動量が多ければ良いというわけではありません。前述の通り、ターゲットを明確にし、それに適した戦略を立てた上で、行動量を増やすことがポイントです。
6、効率良く新規開拓をして自社の売上を伸ばそう!
新規開拓は成約率が低いため難易度が高く、精神的負担がかかると感じる方は多いかもしれません。
しかし逆に、新規開拓が成功すれば、自社の売上が伸び、やりがいを感じるのではないでしょうか。
また自身の実力が反映されやすいため、営業パーソンとして成長しようとモチベーションアップにつながります。するとさらに実力が上がり、次の新規顧客を獲得できるなど、良い循環が生まれる可能性があります。
そのため、しっかりとコツを掴み、新規開拓の成功率を上げていきましょう。