【小川貴史氏監修】プロモーション戦略とは?出来るマーケ担当が必ず知っているフレームワークと成功事例

【小川貴史氏監修】プロモーション戦略とは?出来るマーケ担当が必ず知っているフレームワークと成功事例

プロモーション戦略がマーケティングにおいて重要だということはわかっているものの、コロナ禍を経て世の中が様変わりした今、どのようなプロモーションを打ち出していくべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

難しいと敬遠しがちなプロモーション戦略ですが、目的を明確化し、商品やサービスに合ったプロモーション手法を選ぶことさえできれば、「絶対勝てる」優れモノです。そこで、プロモーション戦略の基礎知識から、他社に負けないプロモーション戦略の立て方まで詳しくご紹介します。

1、プロモーション戦略を立てる前に理解しておきたい3つのポイント

(1)自社にフィットしたマーケティング手法を選ぼう

マーケティングというと、統計や確率論の数学や、難しいフレームワークを駆使する難しいものをイメージする方が多いのではないでしょうか?

実際にマーケティングに知識は必要です。ですが、闇雲に知識を詰め込むというよりは、自社に合っているマーケティング手法は何かという観点で考えることがとても重要です。

例えば、日本に存在する企業数は386万社(2016年経済センサス活動調査)あります。その中で多い業種は、卸売・小売や宿泊、飲食サービス業。それらが全体の3分の1を占めています。

卸売・小売、飲食サービス業などにとって役に立つマーケティングの分析手法に「ハフモデル」という集客を予測する計算手法があります。新規出店時の需要予測や、競合進出時の影響把握に活用されるモデルですが、これが意外と知られていません。

この背景には、メーカー向けのプロモーションの手法が成功事例として広く認知されているという現状があります。自社とはマッチしないフレームワークにむりやり当てはめてマーケティングの戦略を立てようとしても、苦しくなってしまうのは仕方がないことと言えるでしょう。

自社にフィットした手法を選び、実際に手を動かして分析を進めていくことがマーケティングにおいて非常に大事です。

(2)戦略とは「これをやらない」と決断をすること

今回は「プロモーション戦略」についての記事ですが、「戦略」がなぜ必要なのかを知ることも重要です。

戦略とは、限られた人・モノ・金のリソースをどう配分するかを考えること、言い換えると「やらないことを決めること」です。
例えば、メッセージアプリのLINE、今は世の中で広く使われていますが、その成功の背景には、スマホに特化するという戦略をとったことがあります。スマホに特化するとは、PCでのユーザー体験の優先度を下げるということ。まだスマホの黎明期だった頃にこの決断をできたからこそ、今のLINEの成功があるといっても過言ではありません。

このように、戦略とは「これをやらない」と決断をすることです。

以下に述べるプロモーション戦略の考え方を、「自社ではこれをやる/やらない」と決断する参考にしていただければと思います。

(3)マーケティングを実践する上で大切なのは手を動かすこと

そして、何より大切なのは、実際に手を動かすことです。

自社にフィットしたフレームワークを選び、やること/やらないことを決めたら、調査なり、分析なり、施策の実行なり、ひたすら行動をしてみてください。本やネットの記事などのインプットも大事ですが、マーケティングの知識で頭でっかちになるよりも、実践を繰り返した方が大きな学びを得られます。

その結果、施策が売上につながる打率が上がっていくと言えるでしょう。

2、プロモーション戦略とは?

「プロモーション戦略」という言葉を耳にすることも多いと思いますが、定義を聞かれるとなかなか説明できない方も多いです。まずは、プロモーション戦略の基礎知識について解説します。

(1)プロモーション戦略とは?

プロモーション戦略とは、広告や広報、販売促進のための戦略のことです。

そもそもプロモーションとは、マーケティングミックス(4P)

  • Product(プロダクト):自社が提供するの商品やサービス
  • Price(プライス):商品やサービスの価格
  • Place(プレイス):商品やサービスを提供する場所
  • Promotion(プロモーション):広告や広報、販売促進など

に含まれる「Promotion(プロモーション)」のことを指します。

プロモーションの定義は幅広く、展示会や広告、広報などによる「顧客の購買促進」に加え、「顧客との信頼関係構築」を目指す活動とも捉えられます。

(2)プロモーション戦略の目的

プロモーション戦略において、どのプロモーションにも共通する最終目的は、「自社の商品やサービスを顧客に購入してもらうこと」です。最終目的を達成するために、とるべき手法ややらないことを明確化する必要があります。また、プロモーション戦略を立てることで数値目標やターゲット層が鮮明になるため、より目的に沿ったプロモーションを実行できます。

(3)プロモーション戦略はなぜ重要か

マーケティングにおいて、プロモーション戦略が重要視される理由は目的によって取るべき手法が異なるからです。

後ほど詳しく説明しますが、プロモーションには多くの手法があり、 目的によってプロモーションの手法も変化します。自社の商品やサービスを知ってもらうことが目的なのか、またはターゲット顧客との関係性を構築するのが目的なのかなどを踏まえ、最も最終目的に近づける手法を選択しましょう。

プロモーション戦略の手法5選を先に知りたい方はコチラ

3、2つのプロモーション戦略「プッシュ型」と「プル型」の違い

プロモーション戦略は、大きく分けて「プッシュ型」と「プル型」の2つに分けられます。
対照的な2つの戦略における違いを見ていきましょう。

(1)プッシュ型マーケティング

プッシュ型とは「企業側が積極的にアプローチする」戦略です。企業が顧客に対し、商品やサービスを売り込んでいくことで、購買を促します。

<プッシュ型のメリット>

  • 販売者(小売業者など)の販売力が強化
  • 売り込みたいターゲットが事前に絞り込める など

(2)プル型マーケティング

プル型とは「プロモーションにより顧客の興味関心を引き出す」戦略です。ターゲットを絞って企業側からアプローチするプッシュ型と異なり、顧客側から企業にアプローチしてくるのを待ちます。

<プル型のメリット>

  • 1回で複数の顧客にアプローチできる
  • ターゲット以外の顧客にもアプローチ可
  • 信頼関係を構築しやすい

プッシュ型とプル型のマーケティング例は以下の通りです。

4、プロモーション戦略における効果的な手法5選

プロモーション戦略における、効果的な5つの手法を紹介します。

それぞれの手法に特徴があるので、目的に応じて使い分けましょう。

(1)広告

【広告によるプロモーションとは】
広告は、テレビやSNSなどのメディアを通じ、自社の商品やサービスを顧客に認知させるプロモーション活動です。

【広告によるプロモーションの特徴】
自社で広告を一から運用するのではなく、広告費を使用し、広告の作成を依頼したり、メディアの広告枠を購入したりするため費用が高額なのが特徴です。一方で、広告内容や掲載期間・場所などを企業側が設定できるため、プロモーションの効率が良いとされています。

【広告によるプロモーションの目的】

  • 企業名や商品サービスの認知UP
  • 購買意欲の喚起
  • ブランドイメージの形成

①オフラインでの広告の例

テレビCM、ラジオCM、新聞、オフライン展示会、など。

②オンラインでの広告の例

インターネット広告(検索広告、YouTube広告など)、オンライン展示会、など。

オンライン展示会について知りたい方は『オンライン展示会とは?メリットやブースの出展方法を分かりやすく解説!』も併せてご覧ください。

(2)広報

【広報によるプロモーションとは】
広報は、自社情報をテレビやSNSなどのメディアに発信し、報道してもらう活動です。社外メディアからの取材や、他社メディアへの掲載、プレスリリース等が挙げられます。

【広報によるプロモーションの特徴】
広告を出すよりも価格を抑えることができ、広い領域に自社情報を届けられます。また、企業側・顧客側ではない第三者の視点から報じられるため、信頼性が高いとされています。「新聞(テレビ・雑誌・ラジオ)で紹介された!」という実績は、商品の権威付けにつながります。

【広報によるプロモーションの目的】

  • 企業の信頼度を高める
  • ステークホルダーとの良好な関係を築く

①オフラインでの広報の例

記者会見、マス媒体へのプレスリリース配信

②オンラインでの広報の例

SNS運用、ネット上でのプレスリリース配信、企業サイト運営

(3)販売促進

【販売促進によるプロモーションとは】
宣伝がプロモーションの入口と考えた時に、購買まであと一押しする役割を担うのが販売促進です。値引きをしたり、商品におまけをつけたりと、購入すると直接的なメリットを得られるような訴求を行う施策で、他企業との差別化を図るために用いられることが多いです。

【販売促進によるプロモーションの特徴】
「集客」が「見込み客を集めること」であるのに対し、「既に見込み客になっている層にアプローチする」のが販売促進の特徴です。
ただ、金額的なメリットやおまけ目的で購入した人は、商品のファンというわけではないので、すぐ他社製品に乗り換えてしまう可能性もあります。
一度手にとってもらった時に、しっかり商品の魅力が伝わるような仕組みづくりが重要です。

【販売促進によるプロモーションの目的】

  • 購買の動機付け
  • 既存顧客へのアプローチ
  • 売上拡大

①オフラインでの販売促進の例

クーポン配布、商品のサンプリング

②オンラインでの販売促進の例

オンラインのクーポン配布(メルマガやSNSの活用)、インフルエンサーへのサンプリング

インフルエンサーについて知りたい方は『インフルエンサーとは?マーケティングで活用するメリットや注意点を解説!』も併せてご覧ください。

(4)イベント

【イベントによるプロモーションとは】
イベントは、イベントのテーマに合わせて自社の商品やサービスを展示し、顧客との接点を直接作るプロモーションです。企業の社員が直接商品やサービスを説明することでアピールできます。

【イベントによるプロモーションの特徴】
試食や体験を伴いながらのプロモーションが可能なため、来客者の印象に残りやすく、商談へつながる確率も高いとされています。イベント出展には、金銭的・人的コストがかかることが多いですが、合同会社DMM.comが主催するオンライン展示会のように、低コストで出展可能な展示会が昨今では注目されています。

低コストで出展可能!DMMオンライン展示会の詳細はコチラ

【イベントによるプロモーションの目的】

  • 体験を通じた顧客へのアプローチ
  • 企業と顧客の間に接点をつくる
  • 商品やサービスに対する顧客のリアクションを知る

①オフラインでのイベントの例

オフライン展示会、企業交流会、事例紹介のパネルディスカッション

②オンラインでのイベントの例

オンライン展示会、ウェブセミナー(ウェビナー)

ウェブセミナー(ウェビナー)について知りたい方は『ウェビナーとは?基礎から成功のコツまで徹底解説』も併せてご覧ください。

(5)人的販売

【人的販売によるプロモーションとは】
企業側が指導した販売員や営業員が顧客と対話することで販売契約を締結する手法。人と人が直接対話することで購買者の疑問を解消し、購買に促します。

【人的販売によるプロモーションの特徴】
販売会やダイレクト営業により、濃い情報を購買者に伝えられるのが利点ですが、販売者により情報の密度が異なることやクレームにつながりやすい点から、細かい販売指導が必要とされています。

【人的販売によるプロモーションの目的】

  • 体験を通じた顧客へのアプローチ
  • 継続顧客との関係維持
  • 自社製品に関する顧客の意見を把握

①オフラインでの人的販売の例

店舗での販売、対面営業

②オンラインでの人的販売の例

オンライン商談、ECショップでのチャット接客

オンライン商談について知りたい方は『対面営業とは何が違う?オンライン商談の現状とメリット・デメリット』も併せてご覧ください

5、【これさえできればOK】プロモーション戦略の立て方

プロモーション戦略の概要が理解できたら、後はフローに従って戦略を立てるだけ。「なにから始めればいいかわからない…」という方のために、プロモーション戦略の立て方を順番に詳しく説明します。

【ステップ①目標設定】
目標設定は、プロモーション戦略を考える上で最も重要なステップの1つです。目標設定には、社員の足並みが揃うこと、自社の現状を客観視できることなどのメリットがあります。また、自社の商品やサービスを売り込む際に目標設定を事前に行うことで、プロモーションを行う目的・課題を確認でき、何を達成すべきか定量的に落とし込むことにつながります。

目標設定について知りたい方は『KGIをわかりやすく解説!設定方法からKGI/KPIツリーの作り方まで』も併せてご覧ください。

【ステップ②プロモーションにかける費用の設定】
プロモーションにかける費用は、企業側が顧客や業界においてブランドイメージを構築し、自社の商品やサービスの価値を顧客に伝えるために必要なコストです。プロモーションにかける費用を設定することで、社内や代理店などで共通の認識が持てるだけでなく、予算に対してどのようなプロモーション戦略を打ち立てていくかを考える指標になります。売上を獲得するために必要不可欠なプロモーション費は、利益を圧迫しない程度に適度な額を設定しなければなりません。

【ステップ③ターゲットの選定・定義の明確化】
ターゲットの選定とは、ターゲット市場を細分化した後に、選んだ市場にいる顧客層から、どの層に自社の商品やサービスをアプローチしていくかを決めることです。ターゲットの数は多く、広範囲に散らばっているため、ターゲットのニーズを明確化しましょう。ターゲット選定が上手くいくと自社の商品やサービスに興味を持つ確率が高い顧客へつながります。一方で、ターゲットの選定を間違えると、プロモーション費をかけてもかけても利益が上がらないドツボにハマってしまいます。

【ステップ④ターゲットリサーチ】
ターゲットが決まったら、次はターゲットリサーチを行います。ターゲットリサーチとは、言い変えると「顧客のことを知る活動」です。顧客がどんな生活をして、どんな仕事をして、どんなことを必要としているのかを探ることにより、顧客の「顕在ニーズ」「潜在ニーズ」を探っていきます。ターゲットリサーチの一般的な方法は、アンケートや口コミ・お客様の声の分析です。

【ステップ⑤ターゲットへの価値を明確化】
ターゲットリサーチと同時に行いたいのが、自社商品やサービスの価値の明確化です。選定したターゲットに対して自社商品やサービスの価値をどのように提供できるかを改めて考え、ターゲット層がアクセスしやすい価格やコンテンツ内容を設定します。

【ステップ⑥プロモーション手法の選定】
以上のステップが確認できたら、4章で紹介したプロモーション手法から適切な手法を選んでいきます。ステップ①で設定した目標に基づき、目的別にプロモーション手法を選択しましょう。

6、【フレームワークで考える】BtoB向けプロモーション戦略と成功事例

実際にプロモーション戦略を策定し成功を収めた事例をいくつかご紹介します。
まずは、BtoB向けのプロモーション戦略の成功事例です。

【MIC株式会社】
自社が取り扱う領域をマトリクス化し、強みを整理

MIC株式会社(旧:水上印刷株式会社)は、さまざまな角度から顧客のマーケティング課題を解決へ導く企業です。小売りや飲食など、実店舗を有する企業によって重要なコミュニケーションツールとなる販促物を中心に、フィジカル領域(業務設計&コンサルティング、物流、販促ツール制作)とデジタル領域(システム設計、デジタルコンテンツ制作)と双方で企業の支援を行っています。

MIC株式会社は2012年から増収を続け、売上を2.5倍に伸ばしました。
その秘密は、MIC株式会社が自社の強みを4象限に分け、マトリクス化したことにあります。

具体例として、左上の「デジタルタッチポイント×物理オペレーション」はAmazonや楽天をはじめとしたECサービスなどが当てはまります。
基本的なユーザーとの接点は、サイトやアプリなど「デジタル」であるものの、実際には「物品が届く」という物理オペレーションを伴います。

また、右下の「物理タッチポイント×デジタルオペレーション」は、製造小売り、小売り、飲食など、多くの実店舗を持つ企業にあてはまる領域です。物理的にユーザーと接点を持った後も、メール問い合わせなどデジタルでのオペレーションを必要とする事業が当てはまります。

このように自社で扱う領域をマトリクス化し、強みを整理することで顧客ごとにアプローチできる内容もまとまります。それぞれの顧客に対して的確な支援が行え、売上アップにつながるのです。

こちらの事例についてより詳しくは『複業紹介「水上印刷 アドバイザー」&書籍紹介』の記事もご参照ください。

【株式会社テレワークマネジメント】
認知度が低い領域の商品を売るためには「偶然の出会い」を創出する

株式会社テレワークマネジメントは、「テレワークの普及」を目的に「いつでも・どこでも・柔軟に」働ける社会の実現を目指し、バーチャルオフィスのサービス「Sococo」を提供しています。

コロナ禍でオフラインでの活動が制限される中、オンライン展示会に出展したところ、貴重なトライアルユーザーの獲得に成功しました。

バーチャルオフィスの領域はまだまだ認知度が低いため、サービスよりもまずは利用イメージを明確にしてもらうことを考えた株式会社テレワークマネジメント。オンラインでの講演会やセミナーを積極的に行い、実際にバーチャルオフィスのデモンストレーションを中心にユーザーへ対しイメージ喚起を行っています。

認知度が低い商品を扱っているからこそ「偶然の出会い」を創出し続け、認知拡大や見込み客の獲得に成功しました。

株式会社テレワークマネジメント様の事例について詳しくはこちらをご参考ください。

7、【フレームワークで考える】BtoC向けプロモーション戦略と成功事例

続いて、BtoC向けのプロモーション戦略の成功事例についてご紹介します。

【合同会社ユー・エス・ジェイ】
新エリアオープニングに首相を登場させたプロモーション戦略

合同会社ユー・エス・ジェイが運営している、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは2014年に「ハリー・ポッター」エリアを新たにオープンさせる際、450億円もの資金を投資しました。

オープン日の記念式典には、当時の首相であった安倍晋三氏やケネディ駐日アメリカ大使などの豪華なゲストが足を運び、大きな話題を呼びました。このニュースが日本中に知れ渡ったことで、計測上のブランド認知率はなんと100%に。来場者数も増加し集客を成功させています。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、達成すべき数値目標に必要なKPIを明確化していました。
ハリー・ポッターエリアで達成すべき追加集客のKPIは、事前の需要予測と事業計画で「200万人」に。それに必要な認知率は全国90%でした。
しかし、限界まで広告を配信しても75%が限界だったため、残りの15%を埋めるためにメディア露出といったPRやデジタルマーケティングに注力したのです。

ビジネスにおける目標数値に対して、それぞれの施策がどれだけ必要であるかを明確にしたからこそ、施策の実行にも取り組みやすく戦略を成功に導けたといえます。

こちらの事例についてより詳しくは『「PR」のGOALはメディア露出ですか?効果指標は広告費換算ですか?』の記事もご参照ください。

【株式会社ワークマン】
力をかけるポイントを明確化し、やらないことを見極める

株式会社ワークマンは、流通小売企業グループであるベイシアグループの一角を担う企業です。
ベイシアグループは、スーパーの「ベイシア」をはじめ、ホームセンターの「カインズ」「ワークマン」など計28社で構成されています。

SNSがコミュニケーションツールとして欠かせない存在となり、株式会社ワークマンはインフルエンサーの影響力に注目。2019年7月より企業アンバサダー制度を始め、注力しました。

株式会社ワークマンの企業アンバサダー制度は、アンバサダーに商品のサンプルや情報は提供するものの、契約料やインセンティブといった報酬は原則支払わないことで、情報発信の内容や頻度はすべてアンバサダーに任せています。コストを抑えられるだけでなく、アンバサダーという第三者目線での情報発信によりユーザーに刺さりやすいというメリットがあります。

アンバサダーの協力のもとリニューアル販売した商品は、年間4000〜5000枚の売上から10万枚の大ヒットに。
販売だけでなく、商品開発の際にもアンバサダーのアイデアを取り入れることでヒット商品も多く生み出せるようになりました。

株式会社ワークマンは、企業アンバサダー制度でコストを抑えつつ社員の年収を上げ、加盟店へのインセンティブを充実させています。一方で、社員や加盟店に売上ノルマを課すことは捨てています。
力をかける部分とかけない部分を見定め、戦略的な意思決定が行えた結果、売上にも大きく貢献しています。

こちらの事例についてより詳しくは『ワークマンから学ぶ、データドリブンな組織の作り方』の記事もご参照ください

【株式会社丸亀製麺】
外食時にうどんを選ぶ人の割合が少ないことに注目しブランド価値を創出

大手うどんチェーン店である丸亀製麺。
いまや全国に店舗を構える人気ブランドですが、売上が伸び悩んでいた時期もありました。そのときの課題として挙がったのが「外食時にうどんを食べる人が少ない」こと。

そこで、TVCMを「お店でしか食べられないうどんがある」という訴求で放映します。
数々のうどんチェーン店の中から丸亀製麺を選んでもらうために「すべての店で粉から作る」という店内製麺の魅力を伝えることで、ブランド価値を生み出しました。

さらに、TVCMでは顧客役として女優を起用。これまで男性客が多かった丸亀製麺に「女性でも一人で入りやすい」というイメージを与えることにも成功しました。

売上が伸び悩んだ際、新商品の開発や顧客単価を上げる前に見直したいのがブランディング。
マクドナルドやスターバックスといった長寿企業も、ブランド価値を創出することでその人気を保っています。
やみくもに施策を打つのではなく、中長期的な視点に立ってブランドを構築していくことが重要です。

こちらの事例についてより詳しくは『森岡毅氏はどうやって、うどんを外食で食べない9割に狙いを定めたのか?』の記事もご参照ください。

8、プロモーション戦略を立て売上UPを目指そう(まとめ)

プロモーション戦略のフレームワークと立案方法について、ご理解いただけたでしょうか?
IT化が進み、コロナ禍を経験した現在、プロモーション戦略の形も大きく変わってきています。今までは対面でしかできなかったことも、オンラインで行われる時代。

そんな時代の中、オンライン展示会は、リードを獲得したい、認知を広げたいという目的を達成するために有効なプロモーション施策です。ぜひ「DMMオンライン展示会」への出展をご検討ください。

DMMオンライン展示会の詳細はコチラ

監修者画像

この記事の監修者

小川貴史

監修者

株式会社秤 代表取締役社長
広告会社数社と電通グループでマスとデジタルの最適化をテーマにした分析と改善に注力。
デジタルマーケティング支援会社とPR会社でコンサルティング経験を積み、2019年12月に法人設立。業務委託でアドバイザーやエバンジェリストなど複数の役割で活動。
ミッションは戦略意思決定のための「秤」をマーケティング組織にインストールすること。
著書「Excelでできるデータドリブン・マーケティング」宣伝会議「マーケティング分析講座」、Schoo特別講師(DXや情報銀行テーマなど)その他企業イベントでの講演多数。

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