「販促」について正しく理解していますか?目的や具体的な手法をまとめて解説

「販促」について正しく理解していますか?目的や具体的な手法をまとめて解説

「販促」とは営業やマーケティングに関わる人なら、日々当たり前に行っている取り組みです。しかし、具体的にはどのような方法があるのか、またどのように目的を設定すればいいのかなど、体系的に理解できているでしょうか。本稿では販促の目的や具体的な方法、効果を生み出すためのポイントなどについて紹介します。

販促とは

販促とは、商品やサービスの認知拡大を図ったり、買い手の購買意欲を刺激したりして、売り上げの拡大につなげる一連の施策を指す言葉です。「販売促進」または「セールスプロモーション」と呼ばれることもあります。

営利企業にとって、売り上げやシェアを拡大し利益を上げることは至上命題とも言えるものです。それだけに、売り上げに直結する販促施策にはいずれの企業も頭を悩ませているのではないでしょうか。

販促が重要とされている理由には、現代の市場において商品やサービスが飽和状態になっていることが挙げられます。例えば、小売店の棚には同じような用途や機能の商品が並び、しかもそれらは昔ほど品質に差があるわけでもありません。さらに、テレビや新聞などマスメディアをはじめ、街頭やWebサイト上には商品をPRする広告が打たれ、消費者は日々新しい商品の情報にさらされています。

このように、ものがあふれている市場の中から自社の商品を見つけ出し、買ってもらうためには、ただ良いものを作るだけではなく、積極的に商品やサービスの魅力を伝えていく取り組みが必要です。商品やサービスが飽和状態になり、さらにはそれに付帯する情報までもが過多の状態にある現代の市場において、販促は不可欠とも言える取り組みなのです。

販促を行う3つの目的

販促を行う目的は、大きく以下の3つに分けられます。

(1)商品やサービスの認知向上

販促はまず、顧客に商品やサービスについて知ってもらうことから始めます。自社の商品やサービスがどれだけ魅力的で価値のあるものでも、認知度が低い状態では検討の土台にすら上がることができません。市場にあふれているものの中から、自社の商品やサービスを見つけてもらうことが、販促の最初の目的と言えます。

(2)商品やサービスの魅力を伝える

ものがあふれている市場の中から、自社の商品やサービスを選んでもらうためには、そのための動機づけが必要です。競合他社と比べて自社の商品やサービスにどのような魅力があるか、また機能的にどのような優位性があるかを端的に分かりやすく伝えることが、売り上げを伸ばすことにつながります。

(3)リピーターの創出

シェアや売り上げの拡大のためには、リピーターを増やすことも販促の重要な目的と言えます。マーケティングには1:5の法則という考え方があり、新規の顧客を獲得するためには、既存顧客の5倍のコストがかかると言われています。そのため、新規で顧客を獲得するよりも、既存顧客をつなぎとめる方が販売コストを抑え、効率的に売り上げを維持することができます。

販促における「オフライン施策」と「オンライン施策」

販促における施策は、主に「オフライン施策」と「オンライン施策」の2つに分けられます。それぞれの施策の特徴や違いについて見てみましょう。

(1)オフラインの施策

チラシ、DM、ポスティング

チラシやDM、ポスティングは販促施策の中でも手軽で低コストで実施できることもあり、非常に人気の高い施策と言えます。キャンペーンやセールの告知、新商品の案内、新規オープンのお知らせなど、さまざまな場面で使用でき、ほかの施策に比べると盛り込める情報が多いのも大きなメリットと言えます。

施策の目的という視点では、新規顧客の開拓のほか、リピート購入の促進や、休眠顧客の掘り起こしなど、配布地域や方法、ターゲットに合わせて使い分けしやすいのも大きな特徴です。アプローチできる地域やターゲットが限定的になりやすいデメリットがありますが、特定の地域のターゲットに向けて集中的に販促活動を行いたい場合は非常に適した方法と言えるでしょう。

展示会、イベント

展示会に参加したり、イベントを開催したりして参加者に商品やサービスをアピールするのも販促の代表的な施策の1つです。プロモーションイベントや商品販売イベント、商談会などさまざまな形態がありますが、いずれも特定のジャンルや業種の展示会に参加したり、イベントを開催する場所を考慮したりすることで、特定のターゲットにアプローチしやすいのが大きな特徴と言えます。また、参加者と直接対面してコミュニケーションを取れるため、商品やサービスに対してポジティブな印象を持ってもらいやすく、記憶にも残りやすいといった効果が期待できます。

最近はオフラインだけでなく、インターネットを通じて展示会を開くことができるオンライン展示会も増えており、その手軽さから大きな注目を集めています。オンライン展示会については『オンライン展示会とは?メリットやブースの出展方法を分かりやすく解説!』をご覧ください。

(2)オンラインの施策

メルマガ(メールマガジン)

オンラインの販促施策の中で最も一般的なのは、おそらくメルマガではないでしょうか。メールを通して商品やサービスの情報を発信するという意味では、チラシやDMのオンライン版とも言えるでしょう。手軽かつ低コストで実施できるという点もよく似ています。

メルマガは最初にメールアドレスを登録してもらう必要がありますが、それ以降は新商品や新しいサービスなどの情報を継続的に送ることができるのが大きなポイントです。継続的なアプローチを続けることで休眠顧客を掘り起こしたり、顧客を育成したりといったオンラインならではの施策が可能となります。

配信メールの最適化にご興味がある方は『マーケティングオートメーションで何ができる?効率的な営業を実現するために知っておきたいこと』も併せてご覧ください。

Web広告

リスティング広告やリターゲティング広告、SNS広告などに代表されるWeb広告も、販促の代表的なオンライン施策と言えます。Web検索やECサイトの閲覧履歴など、ターゲットのアクションに基づいたアプローチができるのが大きな特徴で、ターゲットの興味関心の度合いが高い情報を提供することで、大きな効果が期待できるでしょう。

販促で成果を出す、ただ1つのポイント

販促のための施策には、オフライン、オンラインを含めさまざまなものがありますが、狙ったとおりの成果を出すためには、目的に合わせた施策を選ぶことが重要です。

例えば、認知度を向上させたいと思っている場合は、DMやメルマガよりは多少コストをかけてでも展示会やイベントに参加した方が高い効果が期待できるかもしれません。また、すでに一度購入したことのある顧客に対してリピート購入を促したり、関係性を維持したりしたい場合は、低コストで継続的にアプローチできるチラシやメルマガが適しているでしょう。

販促はその目的によって適した施策が異なります。コストや手軽さだけで選ぶのではなく、目的によって施策を使い分けることが、販促で成果を生み出す大きなポイントと言えます。

目的とターゲットに合わせて手法を使い分ける

販促は昔から行われてきた施策なだけに、さまざまな手法が生み出されています。商品やサービス、ターゲットに合わせて適切な手法を選ぶことが、効果を最大化させることにつながるでしょう。

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