インプレッションとは?PVとの違いや数値の高め方を分かりやすく解説!

インプレッションとは?PVとの違いや数値の高め方を分かりやすく解説!

インプレッションとは、記事や広告が表示された回数のことをいいます。リスティング広告やディスプレイ広告を出稿している企業のなかには、「インプレッションを高めるにはどうすればいいのだろう」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。インプレッションを増やすことは、広告効果を高める大事な“起点”だからこそ、インプレッションのさまざまな高め方を知っておくことが大切です。

そこで本稿では、「インプレッションの意味」や「PVとの違い」、「インプレッションの高め方」について分かりやすく解説します。本稿が、広告の成果を今よりも向上させるための一助となれば幸いです。

そもそもインプレッションとは?

そもそもインプレッションとは、どのような指標のことをいうのでしょうか。
ここでは、インプレッションの意味や「PV」・「リーチ」との違いについて解説します。

(1)インプレッションの意味

インプレッションとは、広告や記事が表示された回数のことです。1回表示されるごとに、「1imp(インプ)」や「1インプレッション」のように数えます。インプレッションは、主にWeb広告や検索エンジン、SNSで活用されている指標です。例えば、あるWebメディアにディスプレイ広告が1回表示されれば、1インプレッションと数えます。SNSのタイムライン上に投稿が1回表示されれば、それも1インプレッションです。

(2)インプレッションのカウント方法とは?

インプレッションのカウント方法は、メディアによって大きく異なります。例えば、「広告の一部分だけでも表示されれば1インプレッション」とするメディアもあれば、「広告全体が表示されてはじめて1インプレッション」というメディアもあるのです。あるWebメディアを例に挙げると、たとえユーザーが広告へたどり着かずに途中離脱しても、広告がページ上で配信されていれば1インプレッションとカウントします。こうしたメディアごとのインプレッションのとらえ方を知っておくことで、より正確に計測・分析できるようになるでしょう。

(3)PV(ページビュー)との違いとは?

よく似た言葉に、「PV(ページビュー)」があります。PVとは、Webページが閲覧された回数のことです。例えば、あるWebサイトがクリックされて中身が表示されれば、「1PV」です。PVは「月間○○万PVを達成!」のようにWebサイトの規模を示す指標にもなるため、Webサイトの運営者が気にする指標とも言えるでしょう。

ちなみにPVもインプレッションも、同じような意味を持つ指標です。ただ、数え方が少し異なります。例えば、とあるWebサイト「1ページ」のなかに、同じ会社のWeb広告が「2つ」掲載されていたとしましょう。すると、Webページが1回閲覧されればWebページ自体のPVは「1」ですが、Web広告のインプレッションは「2」とカウントされます。PVとインプレッションが同じ数値になるとは限らないため、注意が必要です。

(4)リーチとの違いとは?

PVと同様、「リーチ」もよく活用される指標です。リーチとは、記事や広告を閲覧した「ユーザーの数」を指します。例えば、Web広告が1人のユーザーに対して5回表示されれば、リーチは「1」でインプレッションは「5」です。このようにインプレッションが増えていても、同一のユーザーにばかり記事や広告が表示されている可能性もあります。そのため、インプレッションだけでなく、リーチの数も同様に高めていくことが大切です。

Web広告でインプレッションが重要な理由とは?

Web広告の運用において、なぜインプレッションは重要視されているのでしょうか。
ここでは、Web広告でインプレッションを高めることが必要な理由について解説します。

(1)認知度の向上につながる指標だから

インプレッションが増えるほど、Web広告をユーザーに見てもらえる機会が増えます。当然ながら、その分自社の商品やサービスの認知度向上も期待できるでしょう。そのため、「まずは自社商品の知名度を高めたい」「自社商品のブランディングを図りたい」という場合には、Web広告のインプレッションは非常に重要な指標です。

(2)成果を生むためのスタート地点だから

インプレッションはあくまでWeb広告の「表示回数」であって、クリック数や商品の売り上げを示す指標ではありません。しかし、大前提としてWeb広告をより多くの人に見てもらわなければ、その後の成果にもつながらないのです。そのため、成果を生むためのスタート地点として、インプレッションを高めることは重要と言えます。

(3)広告費の算出基準だから

Web広告のコストや費用対効果は、インプレッションをもとに算出されるケースも珍しくありません。例えば、1インプレッション当たりにかかった広告費は「CPI(コスト・パー・インプレッション)」と呼ばれ、企業が広告予算を決める際の重要な指標です。また、Webメディアのなかには、広告の掲載料金を1,000インプレッション当たりの単価「CPM(コスト・パー・ミル)」で設定しているところもあります。このようにインプレッションは広告費を計算する際の基準になるケースも多いため、細かい数値を把握・分析しておくことが大切なのです。

Web広告におけるインプレッションの高め方とは?

Web広告でインプレッションを高めるためには、どのような方法があるのでしょうか。
ここでは、Web広告のインプレッションを向上させる4つの手法について解説します。

(1)広告にかける予算を増やす

Web広告は、あらかじめ期間内における予算の上限を設定して、その分だけ広告を配信できます。例えば、1か月の上限を1万円に設定したら、1万円分のWeb広告が配信され、予算を超えたら配信が自動でストップするということです。そのため、広告を何度も表示させるためには、前提として広告予算を増やす必要があります。

仮に1インプレッション当たりの単価が「1円」のディスプレイ広告があるとしましょう。予算を1万円に設定すれば1万回のインプレッション、予算を10万円にまで高めれば10万回のインプレッションが期待できます。このように広告予算はインプレッションのベースとなるため、まずは予算設定から見直すようにしましょう。

(2)入札単価を変える

Web広告は、メディアの広告枠に空きが出るたびに自動でオークション(入札)が行われ、配信される広告が決まります。その際、基準となるのが「入札単価」です。入札単価とは、「広告のクリック1回に対して何円まで払えるか」を決めたものを指します。入札単価の高い広告ほど優先的にオークションで選ばれ、配信されやすくなるということです。そのため、広告の入札単価を高く設定することでインプレッションの向上も期待できます。

(3)ターゲット設定を見直す

Web広告は、広告の配信先を細かく設定できるのが特徴です。例えば、一般的なディスプレイ広告では、ユーザーの年齢や性別、地域、世帯収入、配偶者の有無、関心のあるジャンルなどを絞って広告を配信できます。しかし、ターゲットを細かく設定しすぎると、配信先が少なくなってインプレッションが下がるリスクもあるのです。そのため、インプレッションを重視するのであれば、ターゲットを細かく設定しすぎないことも重要でしょう。

(4)あえてキーワードを絞る

Web広告の1つである「リスティング広告」では、あらかじめキーワードを設定し、そのキーワードが検索された際に連動して広告を表示させることができます。ただし、設定されているのが「検索数の多い人気のキーワード」だった場合、ほかの広告主も同じように設定している可能性が高いです。そうなると、キーワードを取り合う競合が増えてしまい、入札単価の高い広告が選ばれることになります。その結果、うまくインプレッションにつながらないこともあるのです。だからこそ、あえて“ニッチ”なキーワードを設定することも戦略の1つでしょう。

例えば、現在「精密部品」というキーワードを設定しており、競合が多くてほとんどインプレッションが得られていないとします。そこでキーワードを「精密部品 自動車 エンジン」に変更すると、競合は大きく減るはずです。その分、少ない予算のなかでもインプレッションを優先的に得やすくなります。また、このように複数の単語で構成されたキーワード(ロングテールキーワード)は、ユーザーの検索ニーズが明確です。そのため、広告が表示されたあとにクリックされやすかったり、商品の購買につながりやすかったりするのも利点と言えます。

インプレッションと合わせて意識すべき指標とは?

インプレッションはあくまでWeb広告の「表示回数」を示す指標なので、その後の問い合わせや購買につながったかどうかまでは判断できません。そのため、インプレッションだけでなく、より売り上げに近い指標も意識しておくことが大切です。ここでは、インプレッションと合わせて計測・分析すべき3つの指標について解説します。

(1)CTR

CTR(Click Through Rate)とは、Web広告のインプレッション数のうち、クリックされた割合のことです。CTRを計算する際には、「CTR(%)=クリック数÷インプレッション数×100」に当てはめます。例えば、100インプレッションのうち1回クリックされれば、CTRは「1%」です。CTRが高いほど、広告そのものがユーザーのニーズを適切にとらえており、興味・関心を強く引くことができているのを意味します。そのため、Web広告のキャッチコピーやデザインをより洗練させたい場合には、CTRの指標を分析し、向上させることが重要でしょう。

(2)CVR

CVR(Conversion Rate)とは、Web広告がクリックされた回数のうち、購買や問い合わせ(コンバージョン)につながった割合のことです。「CVR(%)=コンバージョン数÷クリック数×100」で計算します。例えば、クリック数が1,000でコンバージョン数(商品の売上個数)が10であれば、CVRは「1%」です。CVRが高いということは、それだけ商品に魅力があり、なおかつ遷移先のECサイトやLPなどが効果的だということを意味します。企業にとって最終目標はコンバージョンなので、CVRは最も重要視すべき指標だと言えるでしょう。

CVRやコンバージョン(CV)について知りたい方は『コンバージョンとは?CV率を上げる方法と具体的な進め方』も併せてご覧ください。

(3)フリークエンシー

フリークエンシーとは、Web広告が同一ユーザーに表示された回数です。例えば、同じWeb広告が1人のユーザーに5回表示されれば、フリークエンシーは「5」とカウントされます。フリークエンシーは、Web広告の配信前に設定できることが一般的です。ある程度のフリークエンシーは、広告の内容をユーザーに記憶させるために欠かせません。ただし、あまりにも多くの回数を表示させると、ユーザーからネガティブな印象を持たれる可能性もあります。そのため、広告の反響を分析しながら、最適なフリークエンシーを設定することが大切です。

まとめ:インプレッションの向上は、日々の入念な分析から

Web広告のインプレッションを高めるためには、日々数値を入念に分析しておくことが不可欠です。インプレッションの変動を細かく把握しておくことで、柔軟に配信先や入札単価を調整できるようになるでしょう。

また、広告の配信先を決める際には、「商品のターゲットはそもそも誰なのか」「広告でどのような成果を挙げたいのか」といった、上流部分の再検討が必要になることもあります。広告のインプレッションをさらに高めるために、まずはマーケティング戦略全体の見直しから始めてみてはいかがでしょうか。

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