展示会の効果とは?効果測定の指標や効果を高めるポイントも解説!
展示会への出展を検討しているものの、「具体的な効果がイメージできていない」という方も多いかもしれません。展示会はリード獲得や商談創出、ブランディングをはじめ、さまざまな効果が見込めます。こうした効果を得るためには、狙いたい効果を見定めた上で、それに応じた出展先選びやブース設計をすることが大切です。
そこで今回は、「展示会の主な効果」や「展示会の効果を高めるポイント」について分かりやすく解説します。また、「効果測定の際に活用できる指標」についても紹介しますので、ぜひ出展の際に参考にしてみてください。
展示会の主な効果とは?
展示会に出展することで、出展社は具体的にどのような効果を得られるのでしょうか。
ここでは、展示会で見込める4つの効果について解説します。
(1)見込み顧客(リード)と接点を持てる
展示会はそれぞれにテーマが設定されており、その商品ジャンルに興味のある人たちが数多く来場します。そのため、自社の商品やサービスに対してニーズが発生するであろうリードと、接点を持ちやすいのが特徴です。短期間で多くのリード情報を獲得することで、その後の商談や受注に向けてアプローチしやすくなるでしょう。
(2)商談の機会を獲得できる
展示会によっては、自社商品やサービスに対してのニーズがすでに高まっている顕在顧客が来場することもあります。こうした顕在顧客と接点を持ち、会期中に商談の機会を獲得できるのも大きな効果です。また、たとえ会期中に商談につながらなくても、会期後に営業担当からアプローチすることで商談につながる可能性もあります。ニーズが高まっている顧客は受注の確度も高いため、展示会を通じての売り上げや利益の拡大につなげやすくなるでしょう。
(3)ブランド認知度が向上する
展示会に出展することで、多くの来場者に自社の商品やサービスを宣伝できるのも1つの効果です。ブースで印象的なノベルティを配ったり、セミナーを開催したりすることで、ブランド自体の認知度も高まります。特にまだ認知度の低い企業や商品の場合は、展示会をきっかけにブランドイメージが浸透することもあるでしょう。
(4)市場調査・テストマーケティングができる
展示会には、当然ながら数多くの競合企業が出展しています。こうした競合企業のブースをチェックすることで、業界の動向を把握できたり、効率良く市場調査ができたりするのも1つの効果でしょう。また、来場者と直に会話をすることで、商品やサービスに対する多角的な意見・要望を収集できるのも展示会の魅力です。展示会をテストマーケティングの機会として有効活用し、商品を改善したり、販促方法を洗練させたりできるのも大きな効果と言えます。
市場調査について詳しく知りたい方は『市場調査の基礎知識、4つの調査方法と調査実施時に知っておきたいポイント』を、テストマーケティングについて詳しく知りたい方は『売れる商品を生み出す秘訣、テストマーケティングの重要性と注意点』の記事を併せてお読みください。
展示会における効果測定の主な指標とは?
展示会では、効果を定量的に測定するため、出展の目的に合わせてKPI(中間目標)やKGI(最終目標)を定めておくことが重要です。そこで本章では、展示会で活用される主な効果測定の指標について解説します。
KPIの意味や種類について詳しく知りたい方は、『目的達成のためのKPI設定方法を完全伝授!KGIとの違いも解説』の記事も併せてお読みください。
(1)獲得名刺数(新規リード数)
リード獲得を目的に展示会へ出展する際は、「獲得した名刺の枚数」を指標にすると効果測定がスムーズです。名刺交換した来場者は少なからず自社に興味を持ってくれた層なので、リードとしてカウントできます。ただし、名刺交換した来場者のなかには「ノベルティが目当てだった」「商品に興味はあるが、決裁権はない」という人もいるでしょう。そのため、役職やニーズの強さも含めて、狙いたいリードを決めておくことが重要です。
(2)商談数
商談創出を目的に展示会へ出展する際には、「商談数」がそのまま効果の指標となるでしょう。具体的には、会期中にブースで商談したり、会期後すぐに商談につながったりしたケースを1商談としてカウントします。ただし、商談という言葉のとらえ方は企業によってさまざまです。そのため、「商品の詳しい説明をすれば1商談と数える」「稟議に上げてもらって初めて1商談とする」など、商談の定義を明確にしておくことも重要でしょう。
(3)展示会経由の売り上げ
商品やサービスの売り上げ拡大を目的に出展する際は、「展示会経由の売り上げ」を効果の最終目標(KGI)とすることが一般的です。ただし、商品やサービスによって受注までのリードタイムが大きく異なります。そのため、「会期後どれくらいの期間の売り上げを、展示会の効果として計算するか」を商品ごとに決めておくことが大切です。また、受注に長い時間がかかる場合は、獲得名刺数や商談数を中間目標(KPI)に設定すると、経過が見えやすいでしょう。
(4)ROI(投資利益率)
展示会では、ブースの出展料や設営費用、パンフレットの印刷代、商品の運搬費用といったさまざまな費用がかかります。たとえ商品の売り上げにつながったとしても、コストの方が大きければ利益はマイナスです。そのため、「費用に対する見返りがどのくらいあったのか」を意味するROI(投資利益率)を指標として設けることも重要です。ROIの値が大きいほど、コストに対する利益・収益が大きく、高い効果が得られたと言えます。
ROIについて詳しく知りたい方は、『ROI(投資利益率)とは?計算式やマーケティングでの活用方法を解説!』の記事も併せてお読みください。
展示会の効果を高める“6つ”のポイントとは?
展示会の効果を最大限に高めるためには、出展の際にどのようなことを意識すれば良いのでしょうか。
ここでは、展示会の効果を高める6つのポイントについて解説します。
(1)出展の目的を明確にする
展示会の効果を高めるためには、まず出展の目的を明らかにすることが大切です。例えば、「商談をできるだけ多く創出する」「商品のブランドイメージを広く浸透させる」などが挙げられます。実現したい目的がはっきりしていれば、それに合わせて出展先やブースのデザインを最適化できるため、効果も高まりやすくなるでしょう。
(2)事前集客にも力を入れる
展示会の当日だけでは、ブースへの集客数が不十分になってしまうこともあります。そのため、会期前から集客を実施し、リードとなる層に来場を促しておくことが重要です。例えば、自社のハウスリストにDMやメルマガを送ったり、コーポレートサイトで告知をしたりすると、自社に関心のある層から来場を見込めるでしょう。
展示会の集客方法について詳しく知りたい方は、『展示会出展のコツ、効果的な集客を実現するポイントとは?』の記事も併せてお読みください。
(3)ターゲットに応じた展示会テーマを選ぶ
展示会のテーマによって、来場者の層も大きく異なります。狙った効果を確実に出すためには、より自社のターゲットが来場しそうな展示会を選ぶことも1つのポイントです。例えば、ニーズの強い顧客のみを狙うのであれば、あえて特定の商品ジャンルに特化した展示会を選ぶという方法があります。また、より多くの潜在顧客と接点を持ちたいのであれば、テーマの範囲が広く、多様な来場者層を見込める展示会を選ぶのも有効な方法でしょう。
(4)ブース設計にこだわる
来場者をうまく自社のブースへ誘導するには、ブースの設計に細部までこだわることが重要です。例えば、商品ベネフィットが端的に伝わるようなキャッチコピーを看板にデザインしたり、来場者の目線の高さに合わせてパネルを配置したりします。ブースへスムーズに集客できれば、その後の成果にもつながりやすくなるでしょう。
展示会のブース設計について詳しく知りたい方は、『展示会ブースをレイアウトするポイントとは?成果の出やすい場所も紹介!』の記事も併せてお読みください。
(5)当日のオペレーションを入念に考える
展示会の効果を高めるには、会期中のスタッフの動きや立ち位置を入念に考えることも大切です。例えば、ブース前で明るくあいさつするようにしたり、ノベルティを積極的に配布したりするのも1つの工夫でしょう。「ブースに入ってもらいやすい空気づくり」「名刺交換につなげやすい仕組みづくり」が、成果を創出するポイントです。
(6)会期後のナーチャリング施策も含めて設計する
展示会で獲得したリードのなかには、ニーズが顕在化していない層も多くいます。そのため、出展して終わりではなく、その後のフォロー施策も入念に実施することが不可欠です。例えば、ニーズの弱いリードに対しては、メルマガを継続的に配信したり、ウェビナーへ招待したりします。こうしたナーチャリング施策に注力することで、リードの購買意欲を段階的に高めることができ、商談や受注といった効果にもつなげやすくなるでしょう。
ナーチャリングについて詳しく知りたい方は、『顧客の「購買意欲」を育てるには?成約率をアップするナーチャリングのポイント』の記事も併せてお読みください。
展示会の効果を高めるには「オンライン展示会」の活用がカギ
展示会の効果を高めるためには、当日の対応だけでなく、事前集客やナーチャリング施策まで入念にこだわることが大切です。マーケティング全体の戦略を設計しておくことで、より高い成果につなげられるでしょう。
また、近年は顧客の情報収集がオンライン化していることを受け、展示会を「オンライン展示会」に切り替える企業も増えています。オンライン展示会は、地理的な制約を受けず、インターネット上で幅広い層から集客を見込めるのが特徴です。今まで接点を持てなかった層のリードを獲得でき、展示会の効果を高められます。