今さら聞けないGoogleアナリティクス、UAとGA4との違い、GA4を使うメリットとは?
Googleアナリティクス(Google Analytics)はWebサイトの改善に欠かせないツールです。企業のマーケティング担当者はもちろん、EC担当者やWebサイト制作者など、企業サイトの制作・運営に関わるすべての方が導入するべきと言えるでしょう。
2020年に新しいバージョンとしてGA4(Googleアナリティクス4)がローンチされ、管理画面が変わったことで再度大きな注目を集めることになりました。この記事では、今さら聞けないGoogleアナリティクスの基礎から従来のUAとGA4との違い、またGA4に移行することのメリットなどをまとめてご紹介します。
Googleアナリティクスとは?
Googleアナリティクスとは、Googleが提供するWebサイトの解析ツールです。Web解析ツールはこれ以外にもさまざまなものがありますが、Googleが公式に提供しているツールということもあり、Webサイトの制作・運営に関わるほぼすべての人が一度は触ったことのある定番ツールとなっています。
Googleアカウントを持っていればスタンダード版が無料で使用できることも、定番ツールとなっている理由の1つでしょう。(※プレミアム版に当たるGoogleアナリティクス360は月額130万円~の費用が必要です。)
Googleアナリティクスを活用することで、Webサイトに関わるさまざまな情報を可視化することができます。どのページにどのくらいのユーザーが訪れているのか、どのサイトを経由して訪れているのか、またどのようなワードで検索されているのかといった流入に関する情報のほか、訪れたユーザーがどのページにどれだけ滞在したのか、直帰率や離脱率などユーザーの行動を把握することもできます。
これらの情報は、運営しているWebサイトの現状を理解するのに役立ちます。例えば十分なアクセス数はあるのに資料請求や会員登録などのコンバージョン数が少ない場合は、ランディングページの構成を見直す必要があるかもしれません。また、オーガニック検索での流入が極端に少ない場合は、SEO対策が十分でない可能性があります。
このようにWebサイトのアクセス状況を可視化することでサイトの改善点を把握し、マーケティング施策の参考にするのがGoogleアナリティクスを活用する目的と言えます。
コンバージョンについて詳しく知りたい方は『コンバージョンとは?CV率を上げる方法と具体的な進め方』を、SEOについて詳しく知りたい方は『SEOとは何か?初心者でも分かる認知拡大の基本と具体的な施策』を併せてご一読ください。
Googleアナリティクスで押さえておくべき指標
Googleアナリティクスを活用することで、具体的にどのような情報を知ることができるのでしょうか。Webページの改善点を探るために押さえておきたい指標には、以下のようなものがあります。
- 直帰率:Webサイトを訪れたユーザーが、最初の1ページのみ閲覧して離脱した割合
- 離脱率:ユーザーがそのページを最後に閲覧してWebサイトから離脱した(セッションの最後のページになった)割合
- 回遊率:Webサイト内でユーザーが閲覧したページ数を表す割合
- 滞在時間:Webサイト内にユーザーがどれくらいの時間滞在していたかを表す指標
- ユーザー数:Webサイトに訪れたユーザーの総数、異なるブラウザやデバイスからアクセスした場合、別ユーザーとしてカウントされるため注意が必要
- PV:ユーザーがそのWebページを閲覧した(読み込んだ)回数を表す、アクセス数とも呼ばれる
- セッション数:Webサイトへの訪問数、訪問から離脱までの一連の流れを1セッションとしてカウントする
- イベント:Webサイト内でユーザーが行った操作のこと。バナー広告のクリックや資料のダウンロードなど、特定の操作をあらかじめ設定しておき計測する
UAとGA4の違い
Googleアナリティクスはこれまで、ユニバーサルアナリティクス(旧スタンダード版)と有料のGoogleアナリティクス360(旧プレミアム版)の2種類が存在していました。ここに、Googleは新たに次世代版としてGoogleアナリティクス4をローンチしたことで大きな注目を集めました。
これにより、ほとんどのユーザーはこれまでどおりユニバーサルアナリティクスを使用するか、Googleアナリティクス4に乗り換えるかの選択を迫られることになります。ユニバーサルアナリティクスとGoogleアナリティクス4は、主に以下のような違いがあります。
ユニバーサルアナリティクス(UA)
Googleアナリティクスの前世代バージョンで、2020年10月以前はGoogleアナリティクスというと通常これを指していました。アクセスデータの計測はセッションやPV数をベースにしており、それぞれの指標をもとにWebサイトの現状を把握し、サイトの改善やマーケティング戦略の立案に役立てることができます。
使い慣れたツールということもあり、Googleアナリティクス4の発表後も多くのユーザーが利用しています。ただ、Googleは2023年7月1日をもって新しいデータ収集ができなくなることを発表しており、ユーザーに対してGoogleアナリティクス4への移行を促しています(サポートの完全終了日は未定)。
Googleアナリティクス4(GA4)
2020年10月14日にGoogleが発表した、Googleアナリティクスの次世代バージョン。セッションやPV数ではなく、イベント単位でデータを計測する点がユニバーサルアナリティクスと異なっており、より詳細で効果的な分析が可能になるという違いがあります。
現時点ではユニバーサルアナリティクスとの併用が可能ですが、Googleは今後のアップデートはGA4が対象になると公式に発表しています。
GA4を使うメリット・デメリット
Googleアナリティクスの次世代版として発表されたGoogleアナリティクス4ですが、具体的には移行することでどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
【メリット1】イベントによる計測が可能
Googleアナリティクス4ではデータの計測がセッション単位からイベント単位に変わったことで、ページではなくユーザーの行動に焦点を当てて分析しやすくなりました。これにより、ユーザーの行動を可視化しやすく、マーケティング戦略を考える上でより効果的なデータ収集が可能になっています。
【メリット2】Webとアプリを横断した分析が可能
Webサイトとアプリを横断するユーザー行動を分析できるのもGoogleアナリティクス4の大きな特徴です。新しく追加された「データストリーム」という項目では、Webサイトとアプリを行き来しても同じユーザーの行動として認識、計測することが可能になっています。
【デメリット1】UAからのデータ移行ができない
Googleアナリティクス4への移行をためらう理由としてよく聞かれるのが、ユニバーサルアナリティクスからのデータ移行ができないという点です。現時点では両方のツールを並行して利用できるため、移行後の影響を少なくするためには今のうちから双方を稼働させ、データ収集しておくことが望ましいと言えます。
【デメリット2】再度学習コストが必要
Googleアナリティクス4は管理画面が大きく変更になったため、新しく使い方を学習する必要があるのもデメリットの1つです。現状ではWeb上の解説コンテンツも少ないので、早めに少しずつ移行し新しいツールに慣れておくと良いでしょう。
GA4への移行の準備を
現時点ではまだUAでもデータ収集や解析を続けることは可能ですが、将来的にはGA4に集約されることは明らかと言えるでしょう。サービス提供の終了間際になって慌てることの無いよう、マーケターの皆さんは今のうちに少しずつ移行の準備を進めることをおすすめします。