効果的なアンケートの作り方と、回答率を上げるためにチェックすべき3つのポイント
アンケートは、顧客のニーズを知るための重要な手段のひとつです。アンケートで顧客の本音を知ることができれば、商品やサービスの改善やマーケティング施策を考えるヒントにすることができるでしょう。
そのためには、ユーザーから有効な回答を引き出せるような質問を設定することが重要です。この記事では、マーケティング活動に欠かせないアンケートの作り方や、回答率を上げるためのポイントについてまとめました。
マーケティングにおけるアンケートの重要性
マーケティング施策の効果を最大化するためには、顧客のニーズをよく理解し、それに沿って戦略を立てることが重要です。マーケティング手法にはWeb広告やSEO対策、SNSなど多種多様なものがありますが、いずれの場合も顧客のニーズを読み違えてしまうと十分な効果は見込めません。
一例として、ファミリー層向けの車におけるマーケティングについて考えてみましょう。ユーザーが感じているその車の魅力が「家族にとって使い勝手がいい機能が充実している」という場合と「他社に比べてオプションが充実しており割安」である場合とでは、取るべきマーケティング戦略の方向性は当然ながら異なります。ユーザーが前者に魅力を感じているのに、後者ばかりアピールする戦略を立てたのでは、安っぽい印象が強くなり逆効果になる可能性すらあります。
アンケートは、顧客のニーズを知るために重要なマーケティング施策です。自社商品やサービスについての評価、顧客のニーズなどさまざまな調査を行うことができ、それをもとにマーケティング戦略を立てることで、ブレの少ない、より効果的な施策を実施することができます。
アンケートはマーケティングにおける調査方法としてはごく一般的なため、ユーザーにも受け入れられやすく、有益な回答が得られやすい方法と言えます。また、店頭やWeb、街頭、郵送などターゲットや商品に合わせてより効果的なチャネルを選べること、調査会社を通さず自社で実施すればコストを抑えることもできるなど、実施する側にとっても多くのメリットがあります。こうした理由から、アンケートは多くのマーケティング担当者にとって身近で効果的な手法と言えるでしょう。
アンケートの作り方
アンケートは商品やサービスについての評価、ニーズなど顧客の本音を引き出すことのできる有効な方法であり、マーケティング施策の方向性を左右することもある重要な施策と言えます。
しかしユーザーの本音を知るためには、ただ漠然とアンケートを実施するのではなく、本音を引き出せるような設問を設定したり、回答することが心理的負担にならないような回答形式やボリュームにしたりするなど工夫が必要です。アンケートを作成する上で押さえておきたいポイントを、ステップごとに見てみましょう。
Step1. 目的を設定する
まずは「何のためにアンケートを実施するのか」を明確にしておきましょう。アンケートを作成する際は質問項目を決めることに目が向きがちですが、目的を設定せずに質問項目を決めても、方向性がブレてしまい無意味なものになりかねません。
例えば、「来店者数を増やす」という目的でアンケートを実施するケースを考えてみましょう。この場合「商品の満足度」よりは「スタッフの接客」「店舗に来てくれた理由」などに重点をおいて質問項目を設定するべきです。アンケートを実施する目的を明確にすることで、マーケティング戦略の参考になる、より精度の高いデータを収集することができます。
Step2. 対象者、実施方法、実施期間を決める
アンケートを実施する目的が明確になったら、それに合わせてアンケート対象者や実施方法、実施期間などの詳細を決めていきます。ひと口にアンケートと言っても、店頭やWeb、街頭、郵送など実施方法はさまざまです。目的やアンケート対象者の行動パターンなどを踏まえ、どのようなチャネルで実施すればより多くのアンケートが回収できるかを考えていきましょう。
一般的にWebや郵送など自宅で回答する形式よりも、店頭や街頭などその場で回答してもらう方が回答数は増えますが、踏み込んだ質問をするのが難しくなる傾向にあります。また、回答数を増やすためにノベルティを用意するのも1つの方法です。
Step3. 質問数や回答形式を決める
アンケート対象者や実施方法が決まったら、質問項目を決める前に大まかな質問数や回答形式を決めておきましょう。特に店頭や街頭などその場で回答してもらう場合は、回答者の負担にならないようなボリュームに抑える必要があります。
回答形式には大きく分けて「チェックボックス」「スケール」「テキストボックス」の3つの形式があります。それぞれ特徴が異なるため、実施方法や調査したい内容に合わせて選ぶといいでしょう。
- チェックボックス形式:あらかじめ回答の選択肢を用意し、そのなかから1つ(もしくは複数)を選んで回答する形式。回答内容がある程度想定できている場合に適した回答形式。
- スケール形式:質問に対して良い、ふつう、悪いなどの3段階(もしくは5段階)で評価をしてもらう回答形式。アンケートに回答する側の負担が少なく、手軽に実施することができる。
- テキストボックス形式:質問に対して自由に記述して回答してもらう形式。質問数によっては負担が大きく、その場で回答してもらう場合には適さないケースもある。
Step4. 質問項目を決める
アンケートの質問数や回答形式が決まったら、ようやく質問項目を決めることができます。アンケートの目的に沿った質問項目を設定するのはもちろんですが、回答者にとって回答しやすいか、不必要な質問がないかなどを考慮しながら質問内容を決めていきましょう。
回答しやすいアンケートを作るためには、専門用語を避けて分かりやすい表現を使うほか、簡単な言葉を使って質問文を短くすることを心がけることが重要です。また、混乱を避けるため「購入した商品はどこで、誰が使いますか?」などのように、1つの質問に複数の質問内容を混ぜないように注意しておきましょう。
アンケートの回答率を上げる3つのポイント
マーケティング施策の参考になるような上質なデータを収集するためには、アンケートの回答率を上げて、ある程度の数を確保することが重要です。回答率を上げるために、以下のようなポイントを意識してみましょう。
(1)アンケートの目的を明確にする
自分が回答した内容がどこでどう使われるのか明確でないと、アンケートへの心理的なハードルは高くなります。アンケートを実施する目的、データの使い方などを冒頭に明記しておきましょう。
(2)回答目安時間を明記する
アンケートの質問項目が1枚で収まらない場合、回答に必要な時間や質問数を明記することで、空き時間に取り組んでもらいやすくなります。
(3)不要な質問は省く
質問が多くなるほど回答者の負担は大きくなり、場合によっては途中で回答を諦めたり、未回答のまま提出されたりするケースが増えます。こうしたケースを防ぐためにも、アンケートの目的に沿わない不必要な質問がないか、しっかり確認しておきましょう。
回答者の目線に立った質問設定が重要
商品やサービスに対する率直な意見をユーザーから得るためには、アンケート実施の目的や対象者を明確にし、回答する人の負担にならないような質問やボリューム設定をすることが重要です。