BtoBマーケターが語る、ずばり成約につながるナーチャリング施策は『動画』と『露出』【相原ゆうき氏×徳田祐希氏 対談後編】

BtoBマーケターが語る、ずばり成約につながるナーチャリング施策は『動画』と『露出』【相原ゆうき氏×徳田祐希氏 対談後編】

Webマーケティング業界のベンチャーとして広く活躍されている【株式会社free web hope 代表取締役社長 相原 ゆうき氏】【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田 祐希氏】が対談するこの企画。前編では、新規リード獲得施策を考える上で重要なポイントは何かについて、相原氏が熱くトーク。後編ではナーチャリングをテーマに、YouTubeによる顧客育成を実践している徳田氏が自身の体験から学ばれたことを赤裸々に話します。


【前編はこちら】BtoBマーケター必読。ベンチャーが取るべきリード獲得施策とコア顧客の考え方

情報発信が実はナーチャリングだ!

相原:
さて、前編は僕がいろいろお話させていただきましたが、後編は徳田さんにいろいろ聞いていきたいと思います。

今回はナーチャリングがテーマなんですが、まず聞きたいのが、成約につながるナーチャリングってどうやってやるのってことです。


徳田:
いやー相原さん、僕、すごい成約につながっちゃうナーチャリング施策を持ってますよ(笑)。


相原:
教えてください!


徳田:
僕は「海外WEBマーケティング_世界へボカン」というYouTubeチャンネルをやってます。僕の会社の事業はニーズが顕在化したお客さんが少ないため、見込み客に対してのナーチャリングとしてYouTubeを使っているんですね。ちなみに、相原さんに出ていただいた回は一番再生数が伸びてます。


相原:
ありがとうございます!


徳田:
そんなふうに相原さんのことを知りたい人がボカンチャンネルを見た結果、うちの会社を知ってくれて「何か海外の相談があったな。そうだボカンがあるぞ」って流れになるわけです。


相原:
体感値で良いんですが、YouTubeを見て会社に問い合わせが来るまでの期間はどれぐらいですか?


徳田:
1年くらいですね。そもそも海外Webマーケティングをやろうと思ってなかった人たちに知ってもらうところからなんで、半年から1年くらいかかります。


相原:
動画投稿のペースってどれくらいですか?


徳田:
週に2本、それを2年半やってます。今240本くらいだと思います。


相原:
すっごい!でも始めるとき、問い合わせが来るのか未知数の状態で、どう意思決定したんですか。


徳田:
動画1本の予算って3万〜5万円くらいなんですよ。だったら週2本だと年で約100本。てことは、1本5万円としても約500万円。なら1顧客から出るLTVを考えたら、何件か案件が取れれば元が取れるだろうと、まず100本を作りました。そしたら意外と反応が良かったので今も続けています。


相原:
へー!もうちょっと冬の時代があると思ってました。


徳田:
いや50本まではマジ冬でしたよ。でも海外Webマーケティングという文脈だと、常に情報発信しておかないと顧客のニーズが高まったときの第一想起になれないので、そのためのナーチャリングとしてやり続けました。


相原:
オウンドメディア黎明期の頃もこういう話あったじゃないですか。効果が不透明だから投資できないって。でも結局、初期の頃からやった人って勝ってるんですよね。僕は投資予算を粗利の10%とかちゃんと決めてやるべきだと思う。TikTokでも月商1200万円で粗利8割とか、すごい事例を知ってます。


徳田:
そんなに稼げるんですか。僕もTikTokにすれば良かったかな(笑)。でもYouTubeをやり続けて、それをFacebookとかに載せ続けていると「なんかあいつ、ひとつのことをすげえ頑張ってる奴だな」とブランドができて「あの人は信頼できるから、会ったときに相談しよう」ってなる。

あとは、YouTubeはインプレッションを取るためだけじゃなく、自分たちの事業を事前に深く知っていただく段階のナーチャリングにも利用してます。例えば問い合わせをいただいた後に「こんな動画出してます」とアナウンスしておくと、商談が良い感じでスタートできるんですよね。

露出を増やし、ユーザーがいるところに足を運ぶ

相原:
では次の質問。動画以外のナーチャリング施策としてはどんなことをしてますか?


徳田:
いろんなイベントに登壇してますね。動画を出しているとイベント登壇に呼ばれることが多いので、そこで登壇したときに地方の方とつながって、みたいなことがあります。それにイベントごとに話すテーマは違っても、聞きに来られる方は被っていることが多いんですよ。そうすると「あいつは間違いない」みたいな信頼感が出てくるようで…。


相原:
露出を増やすことが今、ボカンのナーチャリングでは一番熱いっていう感じです?


徳田:
そうですね。マーケティングオートメーションとかコンテンツを用意してみたいという話もありますが、「見なくね?」って思って。どんだけリストあるんだって話じゃないですか。それよりも、何かユーザーがいるところに僕らが足を運ばないといかんよねってことです。僕らデジタルの会社ですけど、ものすごく泥臭くやってますよね。


相原:
わかります。イベント登壇や誰かとコラボするといったフェーズを増やすことで全体的に露出を増やして、理解してもらうとか、接点を増やしていくっていうことが、徳田さんの今の主な活動ということですよね。


徳田:
そうです。メルマガとかで狙ったとおりにユーザーの態度変容が起これば良いですけど、それよりかは、お客さんのところに足を運ぶ。前編でも話しましたが、展示会に出るときにナーチャリングした人たちに会ってくるとか。


相原:
なるほど。いやめちゃくちゃ良い話を聞きました。あと、ナーチャリング施策の成功事例としてどんなものがありますか、と質問も入ってますけど…これはYouTubeですかね。


徳田:
それと初の著書である『はじめての越境EC・海外Webマーケティング』を出版できたことですね。また、初めて会う方に「YouTubeを拝見してます」って言ってもらえることも成功事例。小さな業界の中で知っていただけているのが、ありがたいなと思います。

ナーチャリングからの展示会出展で、コア顧客をつかむ

相原:
では最後の質問です。今ナーチャリング施策を実施しているものの、うまくいってない場合にはどんな要因が考えられますか?


徳田:
前編で相原さんがお話されてましたけど、プロセスを分解して「問い合わせはあるけど成約につながらないのか」「成約にはつながっているけどLTVが低いのか」「そもそもアクセス数やインプレッションが取れてないのか」そのうちのどこかに要因があるかを分解して考えることじゃないですか。

僕の場合は、僕が単体で出演する動画は全然人気がなかったので、海外Webマーケティングに興味ある人っていないんだなと要因がわかったわけです。なので内容をLPとか、有名な人との対談にすることでインプレッションを取りに行くことにしました。

また成約率って観点ですと、僕が対応したら成約につながる実例が出てるなら、事前に僕のことをもっと理解してもらうために動画を作ろうって話になるわけです。


相原:
な~るほど!


徳田:
一発でうまくいっているわけじゃなくて、転びながら起き上がってる感じですね。


相原:
徳田さんは、ナーチャリングと啓蒙とPRみたいなものをミックスして総合的に情報発信をやってるんですね。

前編で「オンライン展示会には、自分や自社に興味があっても1対1で問い合わせしづらいという人が来てくれるハードルの低さがある」と話が出たけど、だからイベント登壇とか自前のYouTubeとかも含めて、いろんなチャネルのミックスで総合格闘技していくっていう感じなんですね。


徳田:
そうなんです。オンライン展示会もいきなり出展するんじゃなくて、それまで積み上げてきたものが展示会で発揮されるみたいなイメージの方が、成果が出やすいんじゃないかな。事前にこちらを知っていただいていれば、同じ業種や似た業者の参加があっても選んでいただけるんじゃないかなと思います。


相原:
前編で、データや予算がない中で、僕なりにこれがもう1番インパクトあるなって考える新規リード獲得施策のポイントが「コア顧客を定める」ってことだとお伝えしたんですが。コア顧客を定めた後で、どうやってアプローチしていくかというところで、今のYouTube動画の事例とかがすごく参考になりました。


徳田:
動画をやってみようという方は、再生数一桁とかでもめげずに、とりあえず100本を目安に頑張ってみてください。


相原:
まあ、心折れずに、ね。ボカンチャンネルも含めて、成功しているチャンネルを初期の頃から見て分析してみるっていうのも良いですよね。


徳田:
動画の役割や成功の定義を再生数とかにせず、例えば「動画経由の問い合わせ」にして、どうやったら設計できるかを考えてみると良いと思います。


相原:
なるほど。ありがとうございます。

というわけで、僕らの対談をここで終わりたいと思います。BtoBマーケターの方は是非参考にしてみてください。

【前編】BtoBマーケター必読。ベンチャーが取るべきリード獲得施策とコア顧客の考え方

【株式会社free web hope 代表取締役社長 相原 ゆうき氏】と【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田 祐希氏】が新規リード獲得施策をテーマに対談。予算や情報が限られるなかで、リード獲得に苦戦している方へ向けて、リード獲得においての大切なポイントについて語っていただきました。

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世界へボカン株式会社
代表取締役

徳田 祐希

世界へボカン株式会社 代表取締役。「日本の魅力を世界へ伝える」というミッションのもと、デジタルマーケティングを活用した日本企業の海外進出支援・販路拡大を多国籍メンバーと共に15年以上にわたって行い、年商30億→500億に売上を伸ばすなど、数多くの実績を残す。海外ウェブマーケテイングに携わる傍ら、YouTube で年間100本以上の動画を配信し、日本企業への海外進出の啓蒙を行う。Shopifyマーケティングエキスパート。JETRO(日本貿易振興機構)海外Webマーケティング講師。著書に『はじめての越境EC・海外Webマーケティング』(WAVE出版)がある。

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株式会社free web hope
代表取締役社長

相原 ゆうき

趣味でゲーム開発やマッチングサービスの開発などを経て、広告代理店のベンチャー企業へ就職。わずか3ヶ月でトップセールスへ。その後、メディア事業の立ち上げに携わり、営業を行いつつも企画や制作も兼任。2011年に株式会社free web hopeを創業し、「期を超える」という企業理念のもと、ランディングページと広告運用をメインに、スピーディーに成果が出るデジタルマーケティングに特化したサービスを提供している。年間100本以上の制作実績から得たノウハウの発信も積極的に行っている。『現場のプロが教える!BtoBマーケティングの基礎知識』(マイナビ出版)を共著。

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