インサイドセールスのKPIは何が適切?設定のポイントを分かりやすく解説!

インサイドセールスのKPIは何が適切?設定のポイントを分かりやすく解説!

インサイドセールスでより高い成果を挙げるために「KPIを適切なものに見直したい」という方も多いかもしれません。インサイドセールスのKPIには、架電件数から商談件数、受注率まで幅広い指標があります。自社の事業フェーズやメンバーのスキルに応じて最適なKPIを選ぶことで、より成果につなげやすくなるでしょう。

そこで今回は「インサイドセールスの代表的なKPIの種類」や「KPIの設定方法」について分かりやすく解説します。また「KPIを設定・運用するときのポイント」も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

インサイドセールスの意味や役割について基礎から知りたい方は『これまでの営業手法とは何が違う?インサイドセールスの役割とメリット』の記事も併せてお読みください。

インサイドセールスには「2つ」の種類がある

大前提として、インサイドセールスには2つの種類があり、それぞれにKPIが異なる場合もあります。
ここでは、インサイドセールスにおける2つの種類とその役割について解説します。

(1)SDR ~獲得したリードへのアプローチ~

SDR(Sales Development Representative)とは、マーケティング部門が獲得したリードに対して、商談化に向けたアプローチをする役割を指します。Web広告や展示会などで反響があった層にアプローチできるので、効率良く商談化しやすいのが特徴です。主なアプローチ手法としては、メールや電話、ウェビナーでの情報発信などが挙げられます。アプローチ先は中小企業や中堅企業など、決裁までのプロセスが比較的短い企業が中心です。

(2)BDR ~ターゲット企業への新規開拓~

BDR(Business Development Representative)とは、過去に取引がないものの、コアクライアントになり得る企業に対して新規開拓する役割のことです。SDRとは異なり、大手企業をはじめ受注のインパクトが大きい企業を中心にアプローチします。アプローチ手法としては、新規架電や決裁者への手紙(CXOレター)などが代表的です。事前に大量のリードを獲得するSDRと比べると、ターゲット企業を“狙い撃ち”する戦略と言えます。

インサイドセールスの主なKPIとは?

インサイドセールスでは、具体的にどのようなKPIを設定すべきなのでしょうか。
ここでは、インサイドセールスにおける代表的なKPIについて解説します。

(1)架電件数

インサイドセールスの主なKPIとして「架電件数」があります。架電件数とは、通話ができたかできないかを問わず営業電話をかけた総本数のことです。結果に関係なく「電話をかける」という行動に紐づいているため、「行動量」に当たる指標と言えるでしょう。まずは行動量を増やすことで、そこから質の良い案件が生まれやすくなります。ただし、行動量だけを追うとメンバーが疲弊する可能性もあるので、質の指標と組み合わせることも大切です。

(2)接続件数

インサイドセールスが電話でのアプローチをメインにする場合、KPIとして「接続件数」を設定することもあります。接続件数とは、顧客と電話がつながった本数のことです。架電件数とは異なり、「役職者をはじめキーマンと通話できた件数」「1分以上通話できた件数」のように別途ルールを設けることもあります。接続件数は行動量に「質」の観点を加味したKPIなので、数値の向上を目指すことでより成果につながりやすくなるでしょう。

(3)メール開封率

インサイドセールスがメルマガでのアプローチを実施する場合には、「メール開封率」をKPIに設定するケースもあります。メール開封率とは、配信されたメールの数に対して開封された割合のことです。メールの配信数だけでなく開封率まで追うことで、「どれだけニーズに刺さるメールを配信できているのか」を把握できます。メールの開封率が思わしくない場合には、メールの件名や日時、配信先のターゲットなどを見直すことが大切です。

(4)商談件数・商談化率

インサイドセールスの役割は、リードの購買意欲を高めた上で、商談化してフィールドセールスへ引き継ぐことにあります。だからこそ、インサイドセールスにとって、「商談件数・商談化率」は最も重要なKPIと言えるでしょう。商談件数は「商談を設定した件数」、商談化率は「アプローチした件数のうち商談につながった割合」のことを指します。商談件数や商談化率を高めることで、その先の受注や売り上げに直結しやすくなるでしょう。

(5)受注件数・受注率・受注金額

企業によっては、インサイドセールスが商談後の「受注件数」や「受注率」、「受注金額」をKPIにする場合もあります。受注関連のKPIはフィールドセールスの指標なので、インサイドセールスが追うケースは多くありません。ただし、インサイドセールスが良質なリードをトスアップできなかった場合、受注率も下がります。確度の高い商談を生み出すためにも、インサイドセールスが“商談後”の指標まで意識することは大切なのです。

インサイドセールスのKPIを設定・運用するポイントとは?

インサイドセールスがKPIを設定・運用する際には、どのようなことを意識すればいいのでしょうか。
ここでは、インサイドセールスのKPIを効果的に設定・運用するポイントについて解説します。

(1)「量」と「質」のバランスをとる

インサイドセールスのKPIを設定する際は、「量」と「質」のバランスをとることが大切です。例えば、「量」の指標である架電件数だけを追いかけると、ヒアリングの「質」が重視されなくなり、商談につながらなくなるリスクもあります。逆に「質」の指標である商談化率だけ追いかけると、1件の通話に時間がかかり架電件数が伸び悩むこともあるでしょう。そのため、量と質の指標を適切に組み合わせることで、より本質的な目標になります。

(2)事業フェーズによってKPIを変える

インサイドセールスのKPIは、事業フェーズによって異なります。例えば、インサイドセールス部門の立ち上げ期には、まだノウハウが確立されていないため、架電件数や接続件数などの「行動量」を追うことが重要です。しかし、メンバーのスキルが上がってくれば、商談件数や商談化率などの「質」にシフトできるようになります。このように、リソースの状況やメンバーのスキルレベルに応じて、柔軟にKPIを調整するようにしましょう。

(3)「SDR」か「BDR」かに応じてKPIを変える

反響対応の「SDR」と新規開拓の「BDR」では、役割が異なるためKPIも多少変わってきます。例えば、SDRの場合は大量のリードにアプローチする必要があるので、架電件数や接続件数などのKPIが有効です。一方のBDRの場合、ターゲットとなる大手企業の数は限られているので、商談化率や受注金額といった「質」寄りのKPIが適しています。このように役割に応じてKPIを変えると、狙った成果につなげやすくなるでしょう。

(4)KPIを他部門と連動させる

インサイドセールスのKPIを決める際は、前後の工程であるマーケティングやフィールドセールスとも指標をそろえる必要があります。例えば、インサイドセールスのKPIが「商談件数10件」であるにもかかわらず、フィールドセールスのKPIが「受注件数10件」では、あまり現実的とは言えません。それぞれの部門で実現可能なKPIを設定し、その上で部門間の認識をすり合わせておくことで、最終的な成果に到達しやすくなります。

(5)ツールを使って成果を可視化する

KPIの達成状況を正しく把握するには、データの可視化・分析ツールを活用することも重要です。例えば、リード情報の管理に適した「MA」や、顧客データの管理に使われる「CRM」、営業プロセスの管理に効果的な「SFA」があります。こうしたツールを活用すれば、マーケティングやインサイドセールスなどの各部門が同一のデータをリアルタイムに把握できるのです。そのため、全部門で連携して成果の改善に取り組みやすくなるでしょう。

MAについて詳しく知りたい方は『マーケティングオートメーション(MA)とは?主な機能から活用方法、ツール選びまで一気に解決!』の記事も併せてお読みください。

インサイドセールスの手法は、柔軟に見直しを

インサイドセールスのKPIは、メンバーの役割や自社の事業フェーズ、他部門の戦略などによって異なります。そのため、組織の状況に応じて柔軟にKPIを見直すことで、より成果につながりやすくなるでしょう。

また、KPIと併せて、メルマガの内容やトークスクリプトなど、インサイドセールスの手法そのものも定期的に改善することが大切です。社会や経済が目まぐるしく変化しているからこそ、時代の状況に合わせて手法も最適化する必要があるでしょう。

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