これまでの営業手法とは何が違う?
インサイドセールスの役割とメリット

これまでの営業手法とは何が違う?インサイドセールスの役割とメリット

営業活動の効率化や商談の成約率を上げる手法の1つとして、近年インサイドセールスが注目を集めています。従来の営業手法とは具体的に何が違うのでしょうか。

そこで本稿では、インサイドセールスとは何か、またメリットや導入のポイント、役割のほか、導入後の効果を最大化するために知っておきたいことを解説します。

そもそも「インサイドセールス」とは?

そもそもインサイドセールスとは、どのような意味の言葉なのでしょうか。ここでは、インサイドセールスが注目を集めている背景もあわせて解説します。

(1)インサイドセールスの意味とは?

インサイドセールスとは、顧客に対して、直接訪問することなく電話やEメール、Web会議システムなどを用いて、非対面でアプローチする営業手法です。その営業スタイルから、内勤型営業と呼ばれることもあります。これに対して、顧客を直接訪問する従来の外勤型営業は、フィールドセールスと呼ばれています。

インサイドセールスとフィールドセールスの違いは、ただ内勤か外勤かというだけではありません。具体的には企業や営業のプロセスによっても異なりますが、インサイドセールスは顧客と最初に接触した段階からアポイントの獲得までを担うのが一般的で、顧客へのアプローチを続けることで課題を顕在化し、購入への温度感を高めていく役割を持っています。その後、顧客が購入検討段階に入ったらフィールドセールスにリードを引き渡し、直接訪問して商談を進めていくという流れになります。

そのため、インサイドセールスとフィールドセールスは単純な営業スタイルの違いではなく、営業の段階によって顧客へのアプローチ方法を使い分けるものと理解すると分かりやすいでしょう。

(2)インサイドセールスが注目を集める背景

インサイドセールスは1990年代にアメリカで生まれた営業手法です。アメリカは国内でも時差があるほど国土が広く、顧客訪問すると言っても移動コストも時間もかかりすぎるため簡単ではありません。そのため、営業マンが効率よく顧客にアプローチできる非対面式の営業が発展していったのです。

日本はアメリカほど国土が広くないため、地方であっても顧客訪問がそれほど難しくなく、また直接対面して信頼関係を築いていく営業スタイルが好まれる傾向にあります。そのため、当時はそれほどインサイドセールスが注目されることはなく、実際に営業手法として取り入れる企業も多くありませんでした。

それが最近になり、あらためてインサイドセールスが注目を集めるようになったのは、人手不足やコロナ禍による営業活動の変化など、ビジネス環境が大きく変わってきたことが理由にあります。

特に近年は少子化の影響もあって労働人口が減少する傾向にあり、企業でも人手不足の問題が深刻化しています。こうした状況下では営業も少ない人間で効率的に行う必要があり、効率的に顧客へアプローチできるインサイドセールスが大きなアドバンテージを持つようになったのです。また、新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)の流行により人との接触を避ける意識が強くなり、非対面式の営業活動にそれほど抵抗がなくなったことも大きな理由として挙げられます。

営業プロセスにおけるインサイドセールスの役割

先にも紹介したとおり、インサイドセールスは単に営業活動を内勤で行うだけの取り組みではなく、商談成立までの営業プロセスを分割し、リード獲得からアポイントまでを効率的に行うための手法です。

ひと口にリードと言っても、商品やサービスへの興味度合いはそれぞれ異なります。すでに商品情報の下調べをすませ購入商品を絞り込んでいる場合もあれば、商品のことを知ったばかりでそれほどニーズが顕在化していない場合もあります。営業マンとして、どちらに営業をかけたいと思うかは言うまでもないでしょう。

このように、興味度合いが異なるリードに対して、同じように移動コストと時間をかけて営業するのは非効率と言えます。そのため、まだニーズが顕在化していない、見込み度合いの低い客(潜在顧客)に対してはインサイドセールスで電話やEメール、Web会議システムなどを用いてアプローチを続けて興味度合いを引き上げ(ナーチャリング)、商談の確度が高まってからフィールドセールスにつなげることで、営業の成約率を高めることができるのです。

獲得したリードへアプローチし、潜在顧客から顕在顧客へ引き上げていくナーチャリングについては『顧客の「購買意欲」を育てるには?成約率をアップするナーチャリングのポイント』をご覧ください。

企業がリードを獲得するにはウェビナーやオンライン展示会、ホワイトペーパーなどさまざまな方法がありますが、獲得したリードを効率的かつ確実に商談につなげるためには、リードの課題を把握し、商品やサービスにどの程度興味があるのかをしっかりと見極めることが重要です。なかでもウェビナーやオンライン展示会は、営業部門にリードを手渡す前段階という意味ではインサイドセールスの領域でありながら、フィールドセールスが事前にリードと面識が持てるためニーズが把握しやすく、より強固なリードを構築できるメリットがあります。

リード獲得の有効な手段として注目されているオンライン展示会については『オンライン展示会とは?メリットやブースの出展方法を分かりやすく解説!』、ホワイトペーパーについては『良質なリード獲得に欠かせないホワイトペーパー、その役割と制作・活用方法』で詳しく紹介しています。

インサイドセールスのメリット

インサイドセールスを活用することでどのような利点があるのでしょうか。ここでは、大きく3つのメリットについて解説します。

(1)一度に多くのリードにアプローチできる

インサイドセールスの最も大きなメリットは、一度に多くのリードにアプローチできる点にあります。通常、検討段階の浅いリードは全体の大半を占めるため、それらを一つひとつ移動コストと時間をかけて訪問するのは非効率です。電話やEメールであれば短い時間でも効率的にアプローチすることができます。

(2)少ないリソースでも高い効果が見込める

インサイドセールスは、リードの獲得からニーズが顕在化するまでのプロセスを担当します。リードが具体的に商品購入を検討する段階に入ったらフィールドセールスに引き渡すため、フィールドセールスは確度の高いリードにのみ注力することができます。そのため商談の成約率も上がり、フィールドセールスの数が少なくても高い効果が期待できるのです。

(3)営業の業務属人化を防ぎ、システム化につながる

顧客の獲得から商談成立までのプロセスすべてをひとりの担当者が受け持つ従来の営業方式の場合、リードにどのようなアプローチをかけるか、どの段階で商談に持ち込むかなどの判断は、すべてその営業担当者に一任されることになります。そのため、異動や退職の際に顧客を連れて行かれたり、顧客との信頼関係の悪化を招いたりするリスクがあります。

インサイドセールスは顧客のニーズをサイトのアクセス状況や実際のヒアリング内容などから多角的に判断し、データに基づいて対応することが可能です。インサイドセールスとフィールドセールスの分業により顧客情報も社内で共有されるため、営業の業務属人化を防ぎ、リスク軽減やシステム化にもつながります。

インサイドセールス導入のポイント

ここではインサイドセールス導入のポイントを解説します。

(1)業務プロセスおよび体制の再構築

インサイドセールスを導入することで従来の営業プロセスは細分化され、これまでひとりの担当者が担っていた業務を複数の担当者で担うことになります。そのため、インサイドセールス担当とフィールドセールス担当、また場合によってはマーケティング担当が綿密に連携できるような体制づくりを行うことが重要です。業務プロセスの再構築が必要となることもあるでしょう。

(2)マーケティングオートメーションの活用

インサイドセールスではひとりの担当者が扱う顧客の数が多くなるため、顧客の情報や商品への関心度合いなどを効率的に管理する方法を用意しておく必要があります。こうした顧客の管理にはマーケティングオートメーション(MA)ツールを使うのが一般的で、メールの閲覧数やサイトへのアクセス状況~商品の興味度合いまでを数値化し、適切なタイミングで適切なアプローチをかけることができます。

マーケティングオートメーションについては『マーケティングオートメーションで何ができる?効率的な営業を実現するために知っておきたいこと』で詳しく紹介しています。

従来の営業手法より、確実かつ効率的な展開が可能

インサイドセールスは人手不足や購買行動の変化など、現代ならではの事情から生まれた新しい営業手法で、従来のフィールドセールスのみの営業より、確実かつ効率的な展開が可能です。利益の最大化を狙うためにも、早いうちに導入を検討してみてはいかがでしょうか。

DMMオンライン展示会」は、DMM.comが主催するオンライン展示会に低コストで出展できるサービスです。出展の際にはホワイトペーパーの掲載も可能で、大手優良企業が出展する展示会だからこそ集客力も高く、幅広いリード獲得が期待できます。リードの獲得チャネルにお悩みの際には、お気軽に当社までお問い合わせください。

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