ブランディングとは?意味や戦略の立て方、マーケティングとの違いを解説!

ブランディングとは?意味や戦略の立て方、マーケティングとの違いを解説!

「ブランディングが大事だと聞くけれど、正しい意味やメリットがよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。ブランディングとは、端的に言えば顧客から自社に対する“共通のイメージ”を獲得する取り組みのことです。ブランディングに成功すれば、顧客からの指名買いを増やし、価格競争を回避したり、安定した売り上げを確保したりできます。「モノが売れない時代」と言われる今だからこそ、注力すべき施策と言えるでしょう。

本稿では、「ブランディングの意味」や「ブランド戦略の立て方」について分かりやすく解説します。「ブランディングを成功させるポイント」も紹介しますので、自社で施策を検討する際の参考にしてみてください。

そもそもブランディングとは?

そもそもブランディングとは、どのような意味なのでしょうか。
ここでは、ブランディングの定義やブランドを形成する要素について解説します。

(1)ブランディングの意味

ブランディングとは、自社の商品やサービス、または企業そのものに対する「顧客からの共通したイメージ」を獲得する取り組みを指します。具体的には、「あの自動車メーカーの車は、安心・安全である」「あの菓子メーカーの和菓子は、高級でおいしい」といった共通のイメージを顧客に持ってもらい、競合他社と差別化を図る活動のことです。顧客から独自の価値を認識された商品やサービスを指して、「ブランド」ということもあります。

(2)ブランディングにつながる要素

顧客のなかに共通のブランドイメージが形成される過程には、さまざまな要素があります。例えば、企業のロゴやキャッチコピー、商品パッケージ、Webサイトのデザイン、メルマガの文面、TV-CMの雰囲気、営業社員の言動などが挙げられるでしょう。企業と顧客の接点すべてが、ブランドイメージを形づくる要素となるのです。そのため、ブランディングは広報やマーケティングの部署だけでなく、企業全体で取り組む活動とも言えます。

(3)マーケティングとの違いとは?

マーケティングとは、市場調査から商品企画、流通、広告宣伝、販売に至るまで、効率的に売り上げを伸ばすための一連の活動を指します。つまり、端的に言えばマーケティングは「商品の“売り上げ”を高める活動」、ブランディングは「商品の“イメージ”を高める活動」と言えるでしょう。マーケティングで直接的に顧客の購買意欲を高め、ブランディングで商品に対する愛着・好感度を強めることで、長期的な売り上げを確保できるようになります。

ブランディングに取り組むメリットとは?

ブランディングに取り組むことで、企業にとってどのような良い側面があるのでしょうか。
ここでは、ブランディングのメリットを4つの観点から紹介します。

(1)「指名買い」による収益の安定を図れる

ブランディングに成功すれば、「品質の高い精密部品と言えば○○社」というように顧客からの指名買いが増えるようになります。競合他社の商品とも比較されなくなるため、価格競争に陥る心配もありません。結果として、長期的に収益を安定させることができ、LTV(顧客1人、または1社から得られる総売上高)の向上にもつなげられます。

※「LTV(顧客生涯価値)」について詳しく知りたい方は、『LTVとは?計算方法や向上につながるマーケティング施策を解説!』の記事も合わせてお読みください。

(2)広告費の削減につながる

世の中に確固たるブランドイメージが浸透すれば、わざわざ広告に費用をかけなくても、顧客の方から自然と自社の商品を選ぶようになります。もちろんブランディングのための初期投資は必要ですが、長期的に見れば広告費の削減も図れるでしょう。削減したコストは事業のコア部分に回すことで、さらに商品価値を高められます。

(3)取引先や株主からの信頼を得られる

ブランディングが成功すれば、ステークホルダーからも自社に対する信頼が寄せられるようになります。結果的に株主からの出資額が増えたり、銀行から融資を受けやすくなったりするでしょう。また、取引先からの信頼が高まることで、「良好な関係を長期的に維持できる」「有利な条件で契約できる」といった恩恵も期待できます。

(4)社内の活性化につながる

ブランドのイメージアップを実現することで、社員が自社の商品やサービスに誇りを持てるようになります。結果として、組織全体のモチベーションが高まり、サービスの品質向上にもつながりやすくなるでしょう。また、企業としての知名度が上がることで優秀な人材が社外から集まりやすくなり、さらなる社内の活性化も図れます。

ブランディングにおける戦略の立て方とは?

実際にブランディングに取り組む際には、どのような流れで行うべきなのでしょうか。
ここでは、ブランディングにおける戦略の立て方を4つの工程に分けて解説します。

(1)「自社を取り巻く環境」について分析する

まずはブランディングにおける自社の立ち位置を決めるために、自社を取り巻く環境について分析することが大切です。分析方法としては、競合・自社・顧客の状況について調べる「3C分析」、政治・経済・社会・技術に分けて外部環境を分析する「PEST分析」などがあります。解決すべき社会の課題や競合のブランド戦略、顧客の求めている商品価値などを把握することで、自社のブランドが取るべきポジショニングも見えてくるでしょう。

(2)自社のブランドアイデンティティを定義する

続いては、自社のブランドアイデンティティを明らかにします。ブランドアイデンティティとは、「社会・顧客からこう思われたい」というように、自社の商品やサービスの独自性について定義したものです。例えば、「品質が高いので安心して利用できる」「使用するだけでおしゃれな雰囲気に浸れる」などが挙げられます。ブランドの立ち位置とメッセージの方向性が明確であれば、施策の数が増えても一貫したイメージを醸成できるでしょう。

(3)ブランディングの施策を決める

ブランディングの方向性が決まれば、どのようなタッチポイント(顧客との接点)でメッセージを発信するかを決定します。具体的には、TV-CMや自社ホームページ、オフライン/オンライン展示会、インターネット広告、SNSなどが挙げられるでしょう。また、営業社員や店舗スタッフの言動も、ブランドイメージを大きく左右します。そのため、社員に求められる立ち振る舞いや考え方などについても、全社で共有しておくことが重要です。

(4)効果を振り返り、施策を改善する

ブランディングの施策を実施したあとは、定期的に効果を振り返ることも必要です。主な効果測定の手法としては、顧客へのアンケート調査やNPS(商品の推奨度を数値化する調査)、商品のリピート率などがあります。世間の声からブランドイメージの浸透度を検証し、必要であればタッチポイントの改善に取り組むことも大切です。

ブランディングを成功させるポイントとは?

ブランディングの手法・施策を実行する上で、意識すべき点はあるのでしょうか。
ここでは、ブランディングを成功させるためのポイントについて解説します。

(1)自社の実態に基づいたイメージを形成する

ブランディングでは、自社の「実態」に基づいてメッセージを発信することが重要です。仮に競合他社よりも商品の品質が劣っているにもかかわらず、「高品質な商品」というブランディングをしてしまうと、社会や顧客からも受け入れられにくいでしょう。ブランディングの第一歩は、自社の商品理解です。商品の価値やポジショニングについて入念に考えることで、メッセージも最適化され、ブランドイメージが社会に浸透しやすくなります。

(2)一貫したメッセージを発信する

ブランディングでありがちな失敗として、施策ごとにメッセージが変わってしまうことが挙げられます。例えば、TV-CMでは「品質の高さ」を訴求し、自社ホームページでは「価格の安さ」を訴求しているというような状況です。メッセージに一貫性がないと、確固たるブランドイメージが形成されにくくなります。そのため、どのタッチポイントでも一貫したブランドアイデンティティを意識することで、社会から共通認識を得やすくなるでしょう。

(3)社内を巻き込んでブランド戦略を考える

ブランドイメージに影響を与える要素は、決して広告やホームページなどで発信した情報だけに限りません。社員一人ひとりの態度や言葉遣いも、ブランドイメージの形成に寄与します。そのため、商品企画や営業、製造といった各部署を巻き込んでブランド戦略を考えることで、より確固たるブランドイメージを形成できるでしょう。

ブランディングは、「タッチポイントの見直し」がカギ

ブランディングを成功させるためには、ブランド戦略に合わせて、顧客とのタッチポイントを見直すことも重要です。例えば、自社のブランドイメージに合うメディアを選別したり、理想のターゲット層と接触できる機会を新たに設けたりすることも有効でしょう。

ブランディングにつながるタッチポイントの一例として、「DMMオンライン展示会」があります。DMMオンライン展示会は、DMM.comが主催するオンライン展示会に低コストで出展できるサービスです。これまで数多くの大手優良企業が出展している展示会だからこそ、出展を通じて効果的にブランド価値の向上やブランドイメージの浸透を図れます。ブランディングの施策を検討の際には、ぜひお気軽にお問い合わせください。

出展募集中の展示会