LTVとは?計算方法や向上につながるマーケティング施策を解説!

LTVとは?計算方法や向上につながるマーケティング施策を解説!

「マーケティングでは“LTV”が重要と聞くけれど、具体的な意味や対策がよく分からない」と悩んでいる方も多いかもしれません。LTVとは、簡単に言えば「1人、または1社の顧客が企業にもたらしてくれる価値の総額」のことで、向上させることによって企業の利益増大につながります。近年は“売れない時代”だからこそ、企業が永続的に成長していくには、マーケティング施策によってLTVの向上を図ることが必須だと言えるでしょう。

そこで本稿では、「LTVの意味」や「LTVの計算方法」などについて分かりやすく解説します。また、「LTVを向上させる施策」についても紹介しますので、ぜひ自社の業績アップを目指す際の参考にしてみてください。

そもそもLTVとは?

LTV(Life Time Value)とは、「顧客生涯価値」とも言われ、1人または1社の顧客から得られる売り上げの総額を指します。当然ながら、リピートや追加発注があれば1人、または1社分の売り上げは高まるため、LTVの値も大きくなります。そのため、LTVを上げるためには商品の品質向上やブランディングによって顧客の信頼感を高める工夫が必要です。

※ブランディングについて詳しく知りたい方は、『ブランディングとは?意味や戦略の立て方、マーケティングとの違いを解説!』の記事も合わせてお読みください。

LTVが重要視されている背景とは?

LTVは近年注目され始めた指標ですが、なぜ重要度が高まっているのでしょうか。
ここでは、LTVが指標として活用されている「3つ」の背景について解説します。

(1)市場が飽和しつつあるから

BtoBビジネスにおいては、参入企業が増え、市場が飽和している業界も多く見受けられます。市場が飽和すると、顧客がすでに商品やサービスを所有している状態なので、新規顧客の獲得が見込みにくくなるのが課題です。そのため、企業はいかに既存顧客からリピートの需要をつかみ、1社当たりの単価を上げていくかが求められます。だからこそ、BtoBマーケティングでは顧客との長期的な関係を築くための指標として、LTVが活用されているのです。

(2)顧客獲得コストの削減につながるから

一般的に顧客獲得にかかるコストは、新規顧客より既存顧客の方が少ないとされています。具体的には、「1:5の法則」にもあるように、既存顧客の獲得コストは新規顧客の「約5分の1」で済むとも言われるほどです。つまり、企業は獲得した顧客をリピーターにすることで、より収益率を高められることになるでしょう。LTVの高さは「リピーターから収益を上げられている証し」でもあるので、その点で重要な指標として注目を集めています。

(3)サブスクリプション型の事業モデルが浸透しているから

近年はBtoBビジネスにおいても、サブスクリプション型の事業モデルが浸透しています。サブスクリプション型とは、商品を一度販売して終わりではなく、月額・年額などの定額利用料で収益を上げるビジネスモデルです。サブスクリプション型の場合、顧客にどのくらいの期間契約を継続してもらうかで売り上げが変わってきます。スポーツジムの会員料金やマンションの家賃など、契約によって継続的に収益を得られる「ストックビジネス(※)」も同様です。LTVという指標は1社当たりの売り上げを長期間にわたって分析できるため、非常に親和性が高いと言えるでしょう。

※ストックビジネスの対となる事業モデルを「フロービジネス」といいます。商品やサービスを販売する際に都度料金が発生する「売りきり型」のビジネスモデルで、小売店や飲食店などが代表的です。

LTVの計算方法とは?

LTVの計算方法にはさまざまな種類がありますが、代表的なものとしては以下が挙げられます。

◆LTV=1顧客あたりの「購買単価」×「収益率」×「購買頻度(※)」×「継続購買期間」

ただし、広告や販促などの顧客獲得コストが売り上げ総額を上回ってしまうと、収益はマイナスになってしまいます。そのため、実質的には「顧客獲得・維持コスト」の数値も加えて、下記のような公式で計算するとスムーズです。

◆LTV=1顧客あたりの「購買単価」×「収益率」×「購買頻度」×「継続購買期間」-「顧客獲得・維持コスト」

実際に上記の式で計算してみましょう。例えば、顧客A社が単価100万円(収益率30%)のサービスを月1回(年12回)、計5年間利用し、その間に広告や営業にかけた費用が30万円だったとします。計算してみると、

◆例:A社のLTV=「100万円」×「0.3」×「12(回/年)」×「5(年)」-「30万円」=1,770万円

上記のようになります。こうした計算式からも分かるとおり、LTVを上げるためには「購買単価」「収益率」「購買頻度」「継続購買期間」のいずれかの値を高め、なおかつ「顧客獲得・維持コスト」を下げることが重要です。

※「購買頻度」はフロービジネスの場合のみ必要で、ストックビジネスの場合は省略します。

LTVを向上させるマーケティング施策とは?

LTVを向上させるには、具体的にどのような手法があるのでしょうか。
ここでは、LTVを高めるためのマーケティング施策について、計算式の5つの指標(※)に分けて解説します。

※再掲:LTV=1顧客あたりの「(1)購買単価」×「(2)収益率」×「(3)購買頻度」×「(4)継続購買期間」-「(5)顧客獲得・維持コスト」

(1)購買単価を高める

1顧客あたりの購買単価が高まれば、LTVの総額も大きくなります。具体的には、今よりも高額な上位モデルに乗り換えてもらう「アップセル」、関連商品も合わせて受注してもらう「クロスセル」などの手法が挙げられるでしょう。

アップセルの例(ストックビジネスの場合)としては、「無料の『お試し版』を導入させてから有料版に切り替えさせる」「通常会員よりもお得な『プレミアム会員プラン』を用意する」といった方法があります。また、クロスセルの例(フロービジネスの場合)としては、「『商品をセット購入したら割引』といったキャンペーンを実施する」「商品サイトで『関連商品』を表示させる」といった工夫が効果的です。

加えて、単純に商品や会員料金を値上げするというのも1つの方法です。ただ、既存顧客から反感を買い、顧客離れが起こる可能性があります。そのため、値上げする際には十分に顧客の満足度を高めてから実施するようにしましょう。

(2)収益率を高める

1商品から得られる収益率を高めることで、LTVを向上させる方法もあります。収益率を高めるには、商品の開発や流通、販売にかかっているコストの余剰を削減することが第一歩です。例えば、大量仕入れによって原料費を削減したり、システムの導入やアウトソーシングによって人件費を抑制したりという手法が挙げられます。また、フロービジネスの例でいえば、仲介による中間コストがかかっている場合には、ECサイトの開設で「直販」の仕組みをつくるのも有効でしょう。コストの削減には社員の協力も不可欠なので、現場の状況に応じて慎重に進める姿勢も欠かせません。

(3)購買頻度を高める

フロービジネスの場合、顧客に商品やサービスを購買してもらう「頻度」を高めることで、LTVの向上も図れます。購買頻度を高めるためには、顧客が商品を必要としているであろうタイミングで、リマインドの情報を提供することが効果的です。

例えば、メルマガで新商品の情報や業務に役立つノウハウを紹介するのもよいでしょう。また、SNSやオウンドメディアでお得なキャンペーン情報を発信するのも有効です。そして、Web上でオンライン展示会を開催し、休眠顧客やコールドリードを招待するという方法もあります。オンライン展示会では、地理的な制約にかかわらず多くのリードを集客でき、Web上でスムーズに購買意欲の促進を図れるでしょう。

(4)継続購買期間を延ばす

購買期間をできる限り延ばすことも、LTVを高める1つの方法です。例えば、ストックビジネスの場合はサービスの「最低契約期間」を設けることで、顧客に長く契約してもらえます。また、フロービジネスの場合は商品を販売して終わりではなく、その後のアフターサービスに力を入れることも重要な手法です。具体的には、カスタマーサクセスの部門を設置し、必要なタイミングで既存顧客の相談に乗るのもよいでしょう。顧客のサービスに対する信頼感や満足度が高まれば、おのずと継続購買期間の延長も期待できるようになります。

(5)顧客獲得・維持コストを下げる

たとえ売り上げが伸びても、顧客の獲得・維持に余分なコストがかかってしまうと利益も小さくなってしまいます。そのため、集客手法を見直してコスト削減を図ることも重要です。例えば、マス広告が中心で効果が薄い場合は、細かいターゲティングが可能なWeb広告に切り替えるのも1つの方法でしょう。また、MAツールを導入してメルマガや広告の配信、LP作成などを自動化することで、集客の効率化を図ることも効果的です。オンライン・オフラインを含めて自社に最適な集客方法を組み合わせれば、集客コストの最適化も図れます。

マーケティングオートメーションについて知りたい方は『マーケティングオートメーションで何ができる?効率的な営業を実現するために知っておきたいこと』も併せてご覧ください。

LTV向上の一歩目は、「集客手法」を最適化すること

LTVを向上させるには、商品価値を高めて顧客から愛着を持ってもらえるブランドに育てることが大切です。ただ、たとえ顧客の購買単価や頻度が上がっても、集客に費用をかけすぎるとLTVも下がってしまいます。だからこそ、LTVの向上を目指すためには、一度集客の手法を見直してコストを最適化するようにしましょう。

集客コストを抑えつつ、新たな顧客を獲得する1つの手法として、「オンライン展示会」があります。

オンライン展示会はWeb上で開催する展示会だからこそ、オフライン展示会より低コストで出展でき、地理的な制約に関係なく幅広い層から集客できます。そのため、集客効率を高めることができ、LTVの向上も期待できるでしょう。当社ではオンライン展示会に低コストで出展できるサービス、「DMMオンライン展示会」を提供しています。集客手法の効果にお悩みの際には、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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